主要農産物種子に関する条例制定を求める長浜市民の会公開情報

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「大聖寺教区農家同朋の会」真宗本廟奉仕団第17回研修会の概要

2020年02月09日
大聖寺教区農家同朋の会真宗本廟奉仕団の主催する研修会の参加報告 文責:富永豊
開催日:2020年2月5日(水)午前9時から
場 所:東本願寺内 同朋会館3階
講 師:京都大学人文科学研究所准教授 藤原 辰史 氏
テーマ:「食料自給率と日本農業」-売り渡される食の安全―
研修概要:
 講師の藤原先生から、ご専門の歴史学(農業史)から見た日本農業のあり方について、大変示唆に富むお話を聞いてきました。
 まず、第一次世界大戦時のお話では、世界に植民地を各国に持っていたイギリスやフランスを除いて、そうではない世界の国々では食料不足の状況にあり、日本ではロシア革命後のシベリア出兵を機に米騒動が全国規模で起こり、またドイツではフランスに攻め入ったものの前線への食料補給が追い付かず76万人もの国民の餓死者を出して敗戦した。その後、両国はこの経験から、誤った民族主義のもと「自給自足に偏った農本主義」によって、第二次世界大戦におけるいわゆる「侵略戦争」の道に進んでいった。こうした農業を戦争につなげないためには、理想の日本社会に即した自給率を考えて「農の思想」というものをしっかり考えて持つことが必要とのことでした。
 次にお聞きしたのは、第一次大戦後の昭和大恐慌と重なった東北・北海道の冷害を受けて、日本では「陸羽132号」や「銀坊主」といった冷害や多肥に強い多収米の品種改良が進んで、世界の品種改良技術王国であった。そこで、第二次大戦後に占領したアメリカは、これに目をつけ品種改良の技術の調査結果により、化学肥料や農薬に強い種苗を開発し、戦後の食糧難の状況にあった中南米の発展途上国に「緑の革命」であるとして、国連の人道支援を名目に国連の農業開発援助を取り込みながら、種苗と肥料・農薬などの農業技術をパッケージとして売り込んでいった。多肥多収の小麦やトウモロコシをメキシコに、また大豆はアルゼンチンに、単一作物を超大規模農場で連作してゆくことが可能となったという話でした。
 そもそも、農業機械や農薬などの農業技術は、戦争兵器の生産につながっていた。平時はトラクターが戦時には戦車に、肥料や農薬は火薬や枯葉剤になった。平時には製薬や肥料会社であったアメリカの「モンサント」という世界規模のシェアーを持つ巨大会社は、「種子さえ耐性を変えれば、農薬が売れる」と見て、遺伝子組み換えやゲノムの編集等により、農薬の影響を受けない新品種を次々に開発し、種子と農薬等をセットで販売して、ほぼ世界の野菜の種苗を制覇してきている。いまこの「モンサント」をドイツの「バイエル社」が吸収合併して、さらに世界の種苗市場の支配強化が進んでいる。(アメリカの食料自給率が130%であることもうなづける。)
 本年より自動車の関税撤廃の見通しがないまま日米貿易協定が発効したが、このままアメリカの圧力に押され、日本において「種子法」の廃止に続き今後に「種苗法」の改正ともなれば、野菜はもちろんのことコメについてもゆくゆく種子をこうした巨大企業に支配されてゆく懸念が強いとのことでした。
 さらにもうひとつ生態学視点からのお話がありました。「食物」の生産者は植物であり、その「消費者」は動物や人間であり、その分解者は土の中のバクテリアや人間の腸内細菌といった微生物である。したがって、この自然のメカニズムを大切にする農業でないと、農業の永続性が失われることになるという警告でした。
(昨年12月に当「市民の会」で開催した研修会で、自然農法家で「全国愛農会」会長の村上真平氏の「人類が古代に作ったエジプト・メソポタミア・黄河の三大文明は、その発展の果てに緑の豊かな大地がすべて砂漠化している」というお話を思い浮かべました。)
 そして、戦後の日本では、飢餓や貧困対策として移民や大型干拓で引き揚げ農民対策が、またアメリカからの輸入物(パンや脱脂粉乳など)に支配される学校給食が開始された。すっかり日本人の味覚を変えられてしまってはいるが、日本の学校給食にも安全な地産地消の農産物の提供を推進してゆくべきであることも含めた上で、次のような視点から自給率など日本の農業のあり方を探ってゆくことが必要とのお話でした。
①防災の面では、すぐ近くで食料が確保できること
②食料の安全保障として、食の安全を確保すること
③農村としてのコミュニティの維持を目指すこと

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最終更新日時:2020年02月10日 10時27分
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