アロイチンチン

2016-05-15
余震が1400回を超え、
昼夜問わず「ズン!」と揺れては「すわ!」と身構えつづけた1ヶ月。

5月某日、熊本を出てみました。

目的は自分復興。

朝からどんよりとした空模様。
低気圧の影響で欠航するかもしれない。
だけどとにかく空港へ。

猫もつれて行こう。

gazet brooch:made by clue.上村久美 & jouet
https://minne.com/clue

〈ちょっと寄り道〉
阿蘇くまもと空港のすぐ近くにある滞在型リゾートホテル「エミナース」。
こちらでは、県民百貨店OBのお二人が勤務されています。

いつも丁寧な応対と温かい笑顔がトレードマークで
七福神に例えると「布袋尊」のような、元顧客担当の優しい紳士・S谷さん。
くまもと阪神時代、印刷会社から出向してきたY下氏を「山ちゃん」と呼び緊張をほぐしてくれていました。
ちなみに頑張り屋さんの山ちゃんはご結婚後公務員試験にトライし
千葉県で警察官として頑張っておられます。

そして、七福神に例えると「弁財天」のような、食品やインテリア担当でいつもキラリと光る商品を紹介してくださっていた優しいお姉様・I井さん。
後輩の私が言うのもナンですが、楽しい本音トークで周りの笑顔までも絶やさない、明るく頼もしい方です。

大きな被害を受けた益城町と西原村の間に位置するホテル「エミナース」は
大型プールや農園もあり家族連れでにぎわうレジャー施設でもありますが
現在は避難所としても運営されていて
I井さんは昼間、S谷さんは夜間を受け持って
避難生活のサポートをしておられるそうです。

S谷さんからOBの皆さんに電話でメッセージを預かりました。
「地震により被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
…という私も同じ、みんな同じ被災者同士。頑張りましょう。」


がんばろう日本。

渋谷の百貨店でも
新宿のコンビニでも
東京無線の車内でも

熊本・大分の地震に対するお見舞いの言葉がありました。

こんなふうに こんなにも
わたしたちのこの状況に
全国から 世界から あたたかい気持ちが寄せられています。

代々木公園では5月14日・15日開催の「タイフェスティバル2016」の準備がすすめられていました。

出店ブースの看板に「アロイチンチン」という文字を発見。
タイの言葉で「とっても 美味しい」という意味だそうです。

アロイチンチン。
声に出して読みたいタイ語。

アロイチンチン。
ムダな力が抜けて、ラクになりませんか?

アロイチンチン。
もしかして、楽しくなる呪文なのかもしれない。

パクチー好きの私は
あの、五臓六腑をほぐしてくれる、タイ料理を食べたくなりました。

「タイフェスティバル」は準備中だったので
神楽坂のエスニック料理店「アジアンパーム」で夜ご飯。

インド・タイ・中華などのエスニック料理を
本場の素材を使い現地スタッフが調理する本格派オリエンタルレストラン。
実は親戚がやっております(笑)
よかったらのぞいてみてください。

ASIAN PALM(アジアンパーム)
http://www.asianpalm.net/index.html

翌日はNHKスタジオパークや
老舗文具店 伊東屋などをまわり
爆睡する15キロの4歳児をだっこして歩くのも限界に。

「そろそろ、おうちに帰ろう」
滞在時間ちょうど24時間。

栃木から来たというカップルも
小学生以下入店お断りの猫カフェスタッフも
ホテルの朝食ビュッフェで隣り合わせた異国のおじいさんも

もうひとことを話したことで笑顔になって
東京を優しい街にしてくれました。



飛行機の小さな窓から
ニュースで見た「被災地」の風景が見える。
あれもこれも、ほんとうのことだった。

「世界はコナゴナになった でも希望の水を僕はまいて」
TYMS「球根」のフレーズが頭から離れない。

傷を負ったふるさとで
また今日から一日一日
復興と呼べる生活を重ねていこう。