主な活動場所
東京都

 大人のためのおとぎ話「新しい夜明け」

2017-09-21
今から4年前のちょうど今頃みたいに麦汁の宴が終わったぐらいの時、当時ファンになりたてだったチャランポの動画をYoutubeで漁っていたら、関連動画に’Innocent When You Dream’というトムウェイツの曲名の動画をみつけた。「小春 Innocent When You Dream」みたいな感じ。

「何故、この曲がチャランポの関連動画に!?」しかもトムの代表曲というよりも少しマニアックな曲なんだけどすごく大好きな曲だったので余計になんで?と思って動画を開いてみると、小春のアコーディオンをバックに本家トムウェイツに負けない魅力的なしゃがれ声で一人のアーティストが歌っていた。

そのアーティストが「踊ろうマチルダ」こと釣部修宏だった。

小春との動画
https://www.youtube.com/watch?v=xGyefeqFIkk
代表曲の1つ「ギネスの泡と共に」
https://www.youtube.com/watch?v=QMhCeLUL8iU

すぐにこのアーティストに興味をもった私はいくつかの動画を観た後で、近くライブがないか探してみると、なんとのその週の週末に渋谷のクワトロでワンマンがあり、まだチケットも買えたのですぐに購入して観にいった。2013年秋の話。その後、東京でのワンマンは2016年12月まで行われる事がなかったので本当に運が良かった。もちろんその間も2マンや3マン、ちょっと郊外のライブカフェでのワンマンなどは観にいっていた。すっかりはまってしまいCD、DVDなどは全て買い、自分のバンドでもこの人の曲を早速レパートリーに組み込んだ。

この人の音楽はトムウェイツ直系とかポーグスファン必聴と言われている感じだが、少し違う気がする。そういう私も上記の通りトムウェイツのカバーから入っているし、ポーグスと交互に聴いてみたりもした。もちろん本人も好きなんだと思う。しかし音楽性よりも何よりも背景に見える景色がまるで違う。この人の音楽のバックに見えるのはなんか日本の原風景っぽいものだ。キャンピングカーで日本全国を回りながらライブ活動をするスタイルもまたすごい。

そんなマチルダはギターやアコーディオンでの弾き語りを中心に、時には足踏みオルガンなどを用いライブを進めていくのだが、昨年のライブあたりから使用楽器にバリエーションが増えてきた。ギターの弾き語りが中心というのは変わらないのだが、ハルモニウムやシュルティボックスといったインドの民族楽器、私はまだ観たことがないのだが、ハーディガーディという楽器も最近使用しているらしい。そしてそもそもセットリストが大きく変わってきたのだ。そしてそれは新作への期待を大きくさせるクオリティの楽曲たちであった。風景画、化け物が行く、おとぎ話など素晴らしい新曲に加え、イギリスの船唄?というトラディショナルソングのLowlands Awayなどのカバーも秀逸だった。

ハルモニウム関連動画 ゑ川史子「トンネルの歌」
https://www.youtube.com/watch?v=ZSSwuOBTLw4
ハーディガーディ関連動画 La Volta / Fortune my Foe
https://www.youtube.com/watch?v=8eDCw3wn64Q

前置きが長くなりすぎたのだが、その新作が今日私の元へ届いた。私がファンになってから4年だが、本人としては7年ぶりの新作だという。

タイトルは「新しい夜明け


踊ろうマチルダ「新しい夜明け」宣伝動画
https://www.youtube.com/watch?v=3brEzOxCuo4

さっきからリピートで聴いているが、近年でこんなに感動するアルバムがあっただろうか。配信が中心の世の中となりアルバムであるという意味が薄れていく中で、1曲目から最後の曲まで淀みなく美しく流れていく素晴らしい完成度の名盤が誕生した。マチルダ自身このアルバムが出来た時、もうこれ以上のものを作れと言われても酷な話だと語っていたけど、それは嘘じゃないと思う。まさにマチルダの裏テーマである「大人のためのおとぎ話」が個々の曲だけでなくアルバム全体で作り上げられている。

今まで書き散らかした私の拙い文章だがその内容に興味を持った方々、また貼り付けた動画リンクを観て興味を持った方々がいたら是非、買ってみてほしい。たった2千円ちょっとで買えるこのアルバムは絶対その数倍の価値を皆さんのミュージックライフにもたらしてくれると思う。