2019年09月20日
今日は私たちの想いをご紹介できればと思います。
私たち『芸術による教育の会』の教師が一番大切にしているもの、
これからを生きる子どもたちに願うもの、それは、
子ども自身の生きる力、しあわせに生きていく力を育みたい!
これが一番の願いです。
個性を大切に、とよく言いますが、残念ながら今の日本の教育では個性を平らにすることが求められているのが現実です。
学校や園が求める「いい子」から外れる子は問題児のレッテルを貼られてしまうことが多く、自己肯定感も育ちにくいと言われます。
では、なぜ、外れることは大切な個性として尊重されないのでしょうか。
それは、今までの教育が、知識などを教えて覚える教育、数値で測れる教育(IQ)のみが重視されてきたからだと思います。
知識ももちろん必要ですが、あまりにもそれに偏りすぎてきました。
北欧などの教育推進国では、今まで日本の教育のような詰め込み教育のIQではなく、子ども自身の生きる能力(EQ,非認知能力)を育てるための教育が長く進められています。
日本もやっとそれに気づき始め、今年からセンター試験の内容も変わり、保育現場や学校でも新しい教育を取り入れて行っているところもあります。
私は色々な園へ入っていますが、ありがたいことに新しい教育には造形の時間がとても重視されています。
子どもの持つ、そして育っていく尊い力は、数値で平均化してはかれるものではないのです。
わがまま、内弁慶、話をきかない、恥ずかしがり屋、やんちゃ、落ち着きがない、言うことをきかない、ガンコ、自信がない、素直、、、
これは全て、美術に適しているお子さんです。
実は美術のレッスンでは常に、いつも見ているモノの見方を変えてみる訓練をしています。
これらの要素を持っているお子さまは、美術流に見方を変えれば、とってもよいモノを持っているのです。
私たちは、自己肯定感の根っこを美術で育てていくお手伝いができると信じています。
私たちは長く子どもたちの成長を見守ってきました。
どんなお子さんも、大人が子どもの力を信じて一歩離れて見守っていれば、必ず芽吹いていく姿を見てきました。
逆に、大人が子どもの力を信じてあげることができず、どこかの誰かのように と理想を求めてしまうことで、本人の持つ可能性の芽が消えていくように感じるお子さまも見てきました。
お子さまが、これから長い人生を自分の力でしあわせに生きていけるように、多様性を認め合える非認知能力を育てていけるように、わたしも育ち続けますね!
最後に、倉橋惣三さんという、大正時代から昭和時代にかけての日本の教育者のお言葉を一部ご紹介しますね。
保育では有名な方なので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、ここに保育者の心が詰まっている気がします。
『子どもがいたずらをしている。
その一生懸命さに引きつけられて、
止めるのを忘れている人。
実際的には直ぐに止めなければ困る。
教育的には素より叱らなければ
ためにならぬ。
しかし、教育の前に、先ず子どもに
引きつけられてこそ、
子どもへ即く(つく) というものである。
子どもにとってうれしい人とは、
こういう先生をいうのであろう。
側から見ていてもうれしい光景である。』
難しいこともたくさんありますが、
私はそういう教育者でありたいなぁと、いつも思っております(*^^*)
大切なお子さまを美術に預けて下さり、本当にありがとうございます。
それでは、また美術でお待ちしておりますね。
千鶴美術教室
小林直子