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さいたま市

 お祝いのことば

2020-03-24
お祝いのことば

大牧小学校 第38回卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大という思いがけない事態になり、突然学校が休校になりました。 本日の卒業式も、皆さんをここまで支えてくださった保護者がいない式になってしまい、残念に思っている人も多いことでしょう。私たち保護者も、先生方も、皆さんと同じように残念に思っています。
でも、同じ場所にいなくても、皆さんを思う気持ちは変わりませんので、安心してください。

皆さんはあと2週間ほどで中学生になります。
中学生になると小学生の時より行動範囲が広くなると思います。
その3年後には高校生になります。高校生になるとさらに行動範囲が広がり、ほとんどの人が電車やバス、自転車などを使って学校に通うことになると思います。
そうして、成長するにしたがって行動範囲が広がり、皆さんの世界が広がっていきます。世界が広がることは、新しい発見が増えることです。とても楽しいことです。
今日は、そんな皆さんに、私から1つの言葉を贈りたいと思います。

今から20年ほど前に、国連難民高等弁務官として、戦争などさまざまな理由で故郷を追われ難民となっている人達が安定した生活を送れるように務めていた緒方貞子さんという方がいらっしゃいました。
その緒方さんが、あるインタビューで「世の中から戦争はどうやったらなくなるのでしょうか?」という質問をされ、次のように答えました。
「残念ながら、この世の中から戦争が無くなることはないでしょう。戦争のない完全な世の中は実現しないでしょう。ただ、戦争のない世の中が実現できるはずだと信じて行動する人にしか世の中は変えられないのです」
この、緒方さんの返答を、私から皆さんに贈ります。

皆さんは、これから行動範囲が広くなり、見えるものが増えてくると、困難な事が見えることも増えるでしょう。やる前から「どうせ無理」と思ってしまうこともあるでしょう。
そんな時は、この言葉を思い出して、少しずつでも動き出してみてください。
すぐに思うような結果が出なかったとしても、必ず得るものはあります。
少しずつでも何かを変えていくことが、大きなものを変えることにつながり、誰もが実現できないと思っていたことを実現することになるのだという事を忘れないでください。

今日の卒業式も、多くの制限がある中で、皆さんのお父さん、お母さんをはじめ他学年の保護者の方々や先生方が、あきらめずに知恵を絞り、皆で協力して多くの工夫をし、卒業生のみんなが寂しくないように、少しでも楽しく、気持ちよく旅立てるようにがんばったのです。
皆さんは、ご家族や先生方や地域の方々をはじめとして、たくさんの方々に見守られ、愛されているのです。
このことを忘れずに、安心して思う存分、これからの人生を楽しんでください。
ご卒業おめでとうございます!

令和2年3月24日
大牧小学校PTA会長