新型コロナウィルス関連

2020-04-27
肺炎の恐ろしさについて
横須賀市 宮川 徹
 本日4月23日、新型コロナウィルスへの感染で、女優の岡江久美子さんが亡くなったという報道が有りました。新型コロナウィルス感染に伴う「肺炎」が急速に悪化したことが原因のようです。障碍者施設後援会への記事としては、あまり沿ぐわないかもしれませんが、「肺炎」というものの恐ろしさについて、自分自身の経験からお伝えしたいと思います。
 15年程昔の、未だ海上自衛官現役の40代後半の頃のことです。当時は陸上支援部隊の総務科長の配置で有り、師走に入り仕事が非常に忙しい時期で、疲れもピークであったと思います。それでも何とか仕事を終えて職場の忘年会に合流し、気分良く家路に着き、夜10時前後には就寝したと思います。ところが、それからが悪夢の始まりでした。
 間もなく全身に悪寒が走り始め、激しい震えとともに寒くて寒くて眠れなくなってきました。次に出始めた症状が激しい咳です。胸焼けのような気持ちの悪さから、トイレで嘔吐しましたが、少々の血が混じっていました。その後も激しい咳は収まらず、咳をする度に血反吐が出始めました。血反吐がどんどん出るので、ティッシュでは間に合わなくなり、洗面器を抱えて受けていましたが、洗面器の底が血反吐で見る見る内に一杯になってきたので、これは不穏(出血多量)と判断し、隣の妻を起こして、救急車を呼んでもらいました。この時点で夜中の1時前後で有ったと思います。
 救急病院へ搬送後、胸部のレントゲン撮影を受け、医者からの説明は「肺炎」になっているというものでした。胸部のレントゲン写真は、肺のほとんどが真っ白く写っており、要するに出血で肺に血が充満している状態であると告げられました。
 その後はそのまま入院ということになりましたが、酸素マスクを3日間、鼻からの酸素吸入を3日間、更に安静状態で4日間と都合10日間程の入院を余儀なくされました。
 これらの経験から言えることは、「肺炎」という疾病が急激に悪化するという事実です。(症状が出始めてから、約3時間で救急搬送)それだけに重症化しやすく、日本人の死亡要因として第3位(全体の9.7%、第1位は悪性新生物:28.7%、第2位は心疾患:15.2%、出典:厚労省2017年)を占めているのです。また、死亡要因第1位の悪性新生物を部位別の死亡率で見ると、肺癌が第1位なのです。(第2位は大腸癌、第3位は胃癌、出典:国立癌研究センター2020年)
 人の呼吸器系は、身体活動を24時間寸分なく維持するために必要な重要臓器であり、しっかりと守らなくてはならないことが良く分かると思います。皆さんもくれぐれもお気をつけてお過ごし下さい。