主な活動場所
横浜市栄区
ホームグランド:桂台小学校

 第4回 根本的な部分へのアプローチ

2020-02-06
卒団の季節がやってきました。

思い起こせば、卒団の選手が1年生の時は、私が担当チーフコーチだったのです。
早いもので、6年間が終わろうとしているのですね。

人数も少なく、何とか公田カップ1年生大会を開催したくって、8人制は無理だから5人制にして、更に栄FCと合同で開催。ムリクリでした。

実は後に栄さんの選手は公田SCに移籍してきたのですがね。懐かしい思い出です。



さて、今回は「めざせ!ベストサポーター」から
「根本的な部分へのアプローチ」です。




 私たちは、日本のサッカーを強くする
ために、子どもたちに何をどのように教
えていったらいいのかをずっと考えてき
ました。

 初めのうちは、サッカーのプレー自体
のことばかりに目を向けてきました。ど
ういうプレーを、どういうふうにトレー
ニングしていったらいいのだろうか。そ
ういうことを中心に考えてきました。

 しかし、最近になって、「判断」が足
りないことに気づきました。日本の選手
は言われたことを言われたとおりにやる
ことには非常に優れていますが、とっさ
のとき、状況が変わったときに、自分自
身で的確な判断を下して行動することが
苦手です。

 サッカーは広いピッチで11人の味方が
協力し合って11人の相手に対し、1つの
ボールをめぐってプレーするスポーツで
す。しかもボールを足で扱うものなので、
手を使うほど正確にはいかず、さまざま
な状況が起こります。いつもコーチが指
示したとおりのことばかりが起こるわけ
ではありませんし、仲間と相談しながら
やれるわけでもありません。

そんな中で、いつも自分自身で状況を把
握して、最善と思う判断をし、それに基
づいて行動をしなくてはならないのです。
決められたとおり、指示されたとおり、
言われたとおり、だけでは、とても対応
しきれないのです。

 自分で判断をする。その判断に責任を
持つ。そしてみんなで協力して状況を解
決していくために、自分の考えたことを
相手に伝える。当たり前のようで、なか
なかできていないことです。

 私たちは、子どもたちの自立を促した
いと思っています。しかしそれは、ピッ
チ上、すなわちサッカーの試合やトレー
ニングの場の中だけで心がけていても決
して身についていかないことです。

サッカーの場だけ、コーチに言われたと
きだけ、では、決して真の自立にはいた
りません。学校や家庭、みなさんの協力
が不可欠です。


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いかがでしたでしょうか?

公田SCのパンフレットで「サッカーで考える力が育つ」という
キャッチコピーを使っています。

ボクも、コーチなりたての時は勝利の経験が子供達には一番大切なんだ。
と思っていました。

勝敗のあるスポーツ。勝利に向かう姿勢は必要ですが、
過剰な勝利至上主義は本来のスポーツの楽しさと代償に
勝ちを得るといっても過言ではありません。

テクニックや戦術戦略ばかり教え込んだり、厳しく接したり。
ある程度は勝てるようにもなりました。

でも大会で優勝しても、思った以上にあまり嬉しくない自分が居ました。

思い通りに子供たちが動き、教えたとおりにプレーする。
さぞかし満足するだろうなと思ったのですが、何かが違う。

その何かとは、「子供らしさ」だったのかもしれません。
無邪気に遊ぶ子供。
一旦コーチが目の前に現れたら別人のように良い子になる(なったように振る舞う)。

失敗しないように、怒られないように、口答えせず、指示されたとおりに動く。

「子供らしさ」が失われているように思えて。
そんな指導はやめました。

では、何をどうすれば良いだろうか。
ヒントは、考える力。コミュニケーション。
友達との意見交換。チームで工夫すること。
失敗よりもチャレンジが出来る安全安心な場。

そんな工夫をしながら取り組んでみました。
急激には勝利に結びつきませんでしたが、ジワジワと結果も出てきました。

コーチが教えていなくてもこんなことをし出した。
コーチが言わなくても自ら行動しだした。

そんな子供たちの成長が何よりも嬉しく思えてきました。

そして、今はそんな考えがコーチみんなに浸透し共通に理解していることが
子供たちのためにもなると思います。
親御さんも公田SCに所属して良かったな。と思っていただけるように
日々努力していきたいと思います。

まだまだ、道半ばですが、公田SCも”根本的な部分へのアプローチ”は大切にしたいと思います。

JFAキッズリーダー
スポーツメンタルコーチ
キッズコーチ協会 1級コーチ
しつもんメンタルトレーニング インストラクター
公田SC 冨田 兄一郎