『ハーツオブアイアン』というゲーム

2017-12-20
「平和を欲するなら、戦争を理解せよ。」
――ベイジル・リデル=ハート(1895年-1970年) イギリスの軍事評論家

ほとんどの方ははじめまして。一部の方はこんにちは。msty^3です。
最近とあるゲームをHDDの奥から掘り返してしまい時間が溶けています。きょうの記事はそのゲームの紹介です。


(Hearts of Iron IIの派生版、Darkest Hourのタイトル)

Hearts of Iron(ハーツ・オブ・アイアン、略称:HoI)は、第二次世界大戦をテーマとする歴史シュミレーションゲームのシリーズです。プレイヤーは、当時存在した国家の中から1つ選んでプレイします。開始する年はいくつかありますが、一番メジャーなのは1936年スタートのシナリオでしょう。日中戦争を除けば1939年9月(史実における開戦)までの3年半準備を行い第2次世界大戦へ突入、というわけです。
現在はHoI4まで出ていますが、各ナンバリングごとにシステムが大きく変わっており、全くの別ゲーになっています。私はHoI2とHoI4しか持っていないうえ、HoI4は全然プレイできていないのでHoI2寄りの内容になってしまいますが許してください。

プレイヤーは内政、外交、軍事、スパイ活動など国家にかかわるすべての行動を管轄します。民主主義だろうと独裁制だろうと関係なく、国家を一人で切り盛りすることになります。ただし、このゲームは戦争に特化したシステムとなっており、陸海空全てにおいて複雑なシステムになっています。

ここまでだとただの戦略シミュレーションゲームですが、HoIには他のゲームにはない特色があります。それは「非常に高い自由度」です。

まず、「プレイの目的・プレイスタイル」が自由です。一応ゲームとして勝利条件は設定されていますが、国が滅亡しない限りゲーム終了年までプレイできるので、勝手に目的を設定していいのです。アメリカやイギリスのような大国で世界征服をしてもよし。アルバニアやポーランドのような滅亡が約束された小国で生き残りプレイをしてもよし。余裕が出てきたら、戦車禁止のような縛りプレイや世界征服タイムアタックなんていう制限も面白いかもしれません。

次に、「脳内補完」が自由です。ゲーム中では時々解せない出来事が起こったり、逆に自分から起こしたりできます。そうでなくとも、重要なイベントでは各国の首脳がどういう考えだったのか、どういう発言をしたかなど勝手に想像することができます。また、ゲーム終了後に世界がどのように動くか妄想してみるのもいいでしょう。HoIにおいては、このような脳内補完をひっくるめて、ゲームのプレイ進行を文章などでまとめたAAR(After Action Report)という文化も発達しています。TRPGでいうリプレイのようなものですね。

最後に、「改造」が自由です。海外ゲームではユーザーが改造データ(いわゆるMOD)を製作し、原作(通称バニラ)ではカバーされていない要素を追加したり、全く別のシナリオを創作したりといったことが盛んに行われています。前者の例としてはバニラでは再現されていなかった日本の政権交代を追加するものが、後者の例としては第1次世界大戦でドイツ側が勝利した世界を創作したものがあります。また、わざわざインターネットから探してこなくても自分で作ることができます。HoI自体は日本語に対応していないため、日本語に翻訳するのもMODの範囲です。有志が日本語化MODを製作しているので、ありがたく使わせていただきましょう。


(東方のMODもあります。ずっとこのMODに手直しをして遊んでます)

どんな雰囲気か知りたい方は、HoI2であればハーツオブアイアン2 攻略作戦 ~初心者の館~のプレイレポートを見ていただければだいたいわかるかと思います。もっとAARが読みたいときは有志が設置しているwikiをお勧めします。ここにはいろいろなMODでのプレイや、マルチプレイという複数人の対戦モードでのAARもあったりします。東方成分が欲しい方は東方きょうさんとうが軽いノリなのでおすすめです。

「でも、難しいんでしょう?」と思ったあなた。
はい、非常に難しいです。政治、経済、軍事を統括するわけですから、覚えることも必然的に多くなり、ゼロから始めるにはかなりハードルは高いと言えます。しかし、一度そのハードルを越えてしまえば、いつでも時間を溶かすことができる手段となるのです。

ここまでハーツオブアイアンについて簡単に書き連ねてみましたが、いかかでしたでしょうか。クリスマスまであと数日ですが、アドベントカレンダー企画をお楽しみいただければと思います。

クリスマス……戦争……ウッアタマガ