カードゲームのドローの価値

2018-12-08
以前TLにポケモンカードのドローのやばさを語るブログが流れてきて、暴論だなあと思ったので暴論が書きたくなりました。なので暴論です。カード名は「」で括ったのでわからなくて困れば調べてください。


カードゲームといってもいろいろあるが、事の発端であるポケカ、やり込んだカードゲームである遊戯王、最近興味を持っているmtg、おまけでドミニオンについて見ていく。

ポケモンカードにおけるドロー
ポケモンカードは、場に出したポケモンに、エネルギーや道具を与えたり、進化ポケモンのカードを重ねて進化させたりして強化し相手のポケモンと戦わせる、というゲームポケモンの育成と対戦の要素をうまく取りいれたものになっている。
しかし、よく指摘されるルール上の欠点として、ポケモンを倒した側がサイドカード(すべて取ることが基本的な勝利条件)を取ってきて手札を増やす一方、倒された側はそのポケモンのカード(進化していれば複数枚)、ついていたエネルギー(技を使うために必要なので壁にされたとか出ない限り複数枚付いている)、エネルギーや進化の為に消費した手数(エネルギー付与は1ターンに1度、1ターンで同じポケモンを複数回進化することはできない)を失い、莫大なアドバンテージ差を生じるということがある。前述の通りこれは勝利条件に起因しているためほとんどのゲームで頻発する場面となる。つまり、盤面上の枚数が変動しやすくカード1枚当たりの価値が低い。
また、エネルギーや進化ポケモンなど単体では役に立たないカードは、基本的にはいくら腐りうるとしてもデッキに欠かせないものである。手札で腐っていてもその手札は無いのと同じであり、1枚当たりの価値を下げることに拍車をかける。
主にこの二つのルール的欠陥によって1枚当たりのカードの価値が低くなっているため、手札をリフレッシュするオーキド博士のような効果が氾濫しているのである。
たぶんポケカやってたら誰でも思いつくようなことしか書いてない(ポケカやってないけど)

遊戯王のドロー
遊戯王にはマナやエネルギーの概念はなく、カードプレイにかかる制約は1ターン1度のモンスターの召喚、罠は伏せて次のターン以降、モンスターの攻守変更くらいである。モンスター自体が自身や他のモンスターを特殊召喚する効果を持っていることも多く、簡単に手札を使い切ることができる。つまり、手札の数がそのまま手数になる。かつては発動に手札コストを要求するカードは強力なものが多かったし、ガジェットという召喚時に「グリーン・ガジェット」→「レッド・ガジェット」→「イエロー・ガジェット」→「グリーン・ガジェット」と後続をサーチしてくるモンスター群は非常に強力であった。このような環境で、手札を単純に1枚増やす「強欲な壺」は手数をそのまま1増やすことになりまごうことなき強カードである。
さて、K〇NAMIも金儲けの為に遊戯王を刷っているので、他のカードゲームの例に漏れずインフレを促進させる。強いモンスターの性能としてガジェットが単純明快だったために、モンスターを出すと後続を直接または間接的にサーチして次の手が約束されるような効果をもつカード群がデザイナーズデッキに当たり前のように搭載され、売り切ったテーマは定期的に規制、より強い新テーマを出す、とループさせることでインフレが進んでいく。(インフレが進んだ結果手札になんでもいいので同じ属性のモンスターが来さえすればいいのまで現れた。征竜っていうんですけど(今となってはそれより強いテーマが多い))テーマ内では強力なシナジーが構成され、始動さえできれば簡単に盤面を制圧できるようになっていく。手数=始動の数になり、展開に必要なものは展開の中でサーチしてくればよくなってしまう。いうなればデッキの手札化である。
こうなるともはやドローはあまり必要ではなく、始動カードを引いてくるために展開用カードは最低限まで減らし、デッキ内リソースを管理することが重要になる。K〇NAMIもそこは周知しているらしく、デッキリソースをランダムに削って発動する廉価版強欲な壺として「強欲で貪欲な壺」「強欲で金満な壺」が登場しているが、採用率はあまり高くない(その割に高い)。

( 本当は遊戯王をゴキブリカードゲーム足らしめている「増殖するG」っていうカードがどうして強いのかも語ろうと思ったんですけど飽きた疲れたのでやめます。簡単に言うと、先攻プレイヤーを妨害する手数と形成された制圧盤面をめくるための手数のどっちもが稼げるからです。)

ここまでは手数としての手札枚数を考えることでドローを考察してきたが、同名カードが40枚中3枚までとデッキに占めるキーカードの割合が低くなりやすい遊戯王にはもう一つドローの役割がある。それはデッキ圧縮である。カードの使用自体に制約のない遊戯王では1枚使って1枚ドローするだけでもそのカードは無いものとみなせることになり、キーカードを引く確率を重視するデッキではデッキ枚数を40枚にした上でそういったカードを投入し始動に命を賭けるということはよくある。「強欲な壺」はそのようなデッキでは総枚数を2枚減らすカードになるし、そういうデッキはたいていろくでもないこと(ワンターンキルなど)をやらかすので相当インフレが進まない限りは禁止だろう。

疲れたのでここから先は適当に語ります

MTGのドロー
 そもそもろくすっぽやったことがないのでポケカのオーキド博士がやばいとかいう言説への反論の傍証的なやつでしかないです
 ブーンズという各色1マナで何かしらの効果を3つ得るという5枚のカードがあり、「治癒の軟膏」(3点回復、ダメージ軽減)、「巨大化」(パワーとタフネスを+3ずつ)、「稲妻」(3点ダメージ)、「暗黒の儀式」(黒3マナ生成)、「Ancestral Recall」(3枚ドロー)となっている。MTGは大体60枚中20枚くらいは土地なので、アンリコで土地を1枚引いてきて出せば使ったマナが帰ってきて「強欲な壺」ですね() 強いのは制作陣もわかっていて、強さのバランスを取るためにレア度を他の4枚より1段階高くしたらしい。でもデッキを組む人は出るまで買うから関係ないよね。
 「ギタクシア派の調査」ライフ2点だけで使えて相手の手札を見て1枚ドロー。遊戯王で同じような目的でデッキ圧縮とか発動カウントを稼ぐために使われる「成金ゴブリン」は1枚引いて相手のライフを1000回復。MTGのライフは20なのでライフコストだけ見ても安いのになんか強い効果がついてる。
 「グリセルブランド」7点払って7枚ドロー。ライフ(と山札)がある限り使える。どう考えても手札が7枚止まりのオーキド博士より強い。ライフなんて飾りなので。「ヨーグモスの取引」も次ターンのドローを飛ばす代わりに1点払うごとに1枚ドロー。ライフは手札なので。
 「チャネル」+「死者の鏡」前者は使用ターン1点払うごとに1マナ、後者はゲームに負けるときに自分の手札場山札墓地を混ぜなおして7枚引いてライフを20点に戻す。、20点のライフをすべてマナに変換すると「死者の鏡」が発動して、「死者の鏡」が5マナ、「チャネル」が2マナなので7マナ使って7枚ドロー15マナ生成(「死者の鏡」のマナは「チャネル」効果で賄えばいい)、以降はこのターンの間「死者の鏡」を使うたびに20マナ生成しつつ7枚引けるので実質-15マナで7ドロー。ライフはマナなので。
 ドローに関してはポケモンカードよりMTGのほうがいかれてると思うよ。

ドミニオンのドロー(おまけ)
ステロのドローとかコンボのドローがどうこうっていうのはもっとまじめに考察してる人のブログを読めばいいと思います。ぼくはドミニオンを雰囲気でやっているので。

2枚ドローするターミナルアクションの価値を1.75コイン、以降追加1ドローにつき同価値とすると、3ドロー3.5コイン、4ドロー5.25コイン、5ドロー7コインとなって、
2コイン→2ドロー+メリット効果(「堀」など)
3コイン→2ドロー+より強力なメリット効果(「執事」、「女魔術師」など)
4コイン→3ドロー(「鍛冶屋」)、2ドロー+強力なメリット効果(「Silk Merchant」など)
5コイン→3ドロー+メリット効果(「拷問人」など)、4ドロー+デメリット効果(「議事堂」、持続による分割をデメリットと見たときの「船着場」)、2ドロー+強力なメリット効果(「魔女」、持続による2回使用をメリットと見たときの「船着場」)
6コイン→4ドロー+メリット効果(「狩場」)
負債8コイン(分割払い可能なので価値としては6~7コイン相当)→5ドロー+デメリット効果(「王室の鍛冶屋」)
というようになるので、まあだいたいそんなもんなんだなということがわかります。1ドローだけするカードは無くてだいたいキャントリップなのでキャントリップの価値が気になる人はアクション権の価値も概算してみればいいと思います。


最後に
硬い考察は疲れるし、結局状況とか環境、デッキにもよるし無意味になりがちなので正直あんまり意味はないです。ただぼくはオーキド博士がぶっ壊れドローソースとか言われるのが我慢ならなかっただけなので。ここまで読んでいただきありがとうございました。