前鬼川遡行

2020-10-04
山行日:2020.10.04
メンバー:ハムくん(L)、クリンさん(SL)、よしこさん、テツくん(記録係)

コースタイム:林道車止め8:32⇒2段10m滝9:15⇒不動の滝10:12⇒箱状廊下10:32⇒千手の滝11:14⇒馬頭の滝11:53⇒垢離取場12:35(1時間休憩)⇒小仲坊14:19⇒車止め14:51

早朝発でハムくんの車に乗り合わせ、林道終点に着くと先客は2台。この時期になると人気の沢も静かになります。
車止めから斜面を下ってすぐに黒谷に入渓。合流点まで下って前鬼川本流に入ります。クリンさんとよしこさんにとっては初めての前鬼川。「うわ〜、きれい!これが前鬼ブルーか」と歓声が上がります。天気は曇りですが、前鬼川の不思議な青さは変わりません。
巨岩の間を縫いながら本流を遡り、20分ほどで2段10m滝に到着。ここの淵の青さも吸い込まれるように美しい。しかしここでクリンさんの足にぷっくりと膨らんだヒルがくっついているのを発見。流血の事態に陥ってしまいました。
2段10m滝にて

小休止をとってから残置ロープのある左岸を巻き、8月に死亡事故のあった滝の落ち口へ。水量は少なめですが念のためロープを出し、ハムくんが先に渡って巨岩に固定。しっかり確保をしてインクノットで順に渡っていきました。
大ナメを過ぎ、左岸の不動滝の前を巻いて今度は右岸へ渡り、さらに巻いていきます。私はいつも左岸を巻いていたのですが、右岸にもルートがあるとは知りませんでした。他の方と歩くと新たな発見が多いです。
そして私が好きな箱状廊下に到着。青く光るゴルジュを上から眺めます。何度も来ているのにシャッターを切らずにはいられず、皆さんをお待たせしてしまいました。スミマセン。
箱状廊下も美しい!

そのすぐ先は湧水帯。四方八方から伏流水が流れ込み、絵のような景色に見惚れてしまいます。そこからは森の中の斜面を直登。登山道に出て急な岩場に取り付けられた階段を下ると三重の滝の真ん中、千手の滝に出ます。そしてそこからが今日の核心、裏行場です。断崖の細い道をトラバースし、とんでもない鎖場を登るのですが私はソロで訪れた過去2回、鎖場の途中であまりの怖さに引き返してしまったことがあり、なんとか越えたいと思っていた場所なのです。初めてのお二人がどういう反応を示すのか楽しみだったのですが、二人ともトラバースでは一度も立ち止まらずグングン先へ行ってしまいます。鎖場では私の前で勇気づけて欲しかったのにあっという間に見えなくなってしまい、声だけしか聞こえなくなってしまいました。これじゃあソロの時と変わらへんやんけ〜、と思いつつ、後ろのハムくんに声をかけてもらいながらどうにか2本の鎖を登り切ることができました。
私は決して高所恐怖症ではないのですが、一歩踏み外せば命を落とすようなこんな場所は誰だって恐怖心を覚えるはず。スイスイと歩ける皆さんは人としての通常の感覚が抜け落ちているのではないでしょうか⁈ 初心者仲間だと思っていたよしこさんにも見事に裏切られてしまいました。
鎖場をスイスイ登っていくよしこさん

釜の美しい馬頭の滝からは登山道を下り、垢離取場では冷たい釜の中を泳いで遊んだり懸垂下降の練習をしたり。ここからは山の中の登山道に入り、宿坊を経由して車止めまで戻りました。
私にとっては5度目の前鬼川。沢山の新たな発見があった山行でした。皆さんどうもありがとうございました。