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 ケン・ウィルバー ヤブユムのタントラ観想(ヴィジュアリゼーション)

2020-02-13
ヤブユムのタントラ観想(ヴィジュアリゼーション)
この観想には性的なエネルギーを輝く至福そして慈悲の抱擁に変容させることが含まれる。これは主として微細レベルの鍛錬である(彼らは心霊から始め、微細に至り、ときに元因に溶ける。彼らは非二元の〈ワン·テイスト〉あるいはサハジャ(sahaja)に到達することはめったにないが、心霊から微細に至る領域の成長を模範的に鍛錬する)。この種の鍛錬の標準的な眼目は、「慈悲として生起する空性を認識する至福」と要約される。
それはたとえばこのように行われる。興想の中で、自分自身が配偶者と性的に結合しているところを観想する。自分自身と配偶者を神あるいは女神、天使あるいは善薩、仏陀あるいは聖者として観想する--あなたの最も深い、あるいは最も高次の本質の象徴として作用するならば何でもよい。しかし、自分と配偶者が、透明に輝く神々として性交しているところを、非常に強烈に、そして非常に明瞭に観想しなければならない。実際に、あなたは性的な興奮を喚起される。そしてあなたは呼吸でそれを調和させる。息を吸うときに、輝きを身体の前部を通して〈生命〉の座である生殖器まで吸い込み、息を吐くときに、〈生命〉を身体の後部--脊柱--を通して頭頂の〈輝き〉へと吐き出す(これは 内化、あるいは高次が低次に参入し、それから低次が高次に回帰し、下降するエネルギーと上昇するエネルギーの大いなる循環が形成されることの別の様式である。もしあなたがこれを実際のパートナーと行うならば、呼吸を調和させることができるだろう)。
生殖器領域に喚起されるあらゆる快感は、息を吐くときに、脊柱を通して導かれ、頭頂の〈輝き〉へと吐き出される--あなたは単に身体のあらゆる快感を、無限の〈輝き〉と〈解放〉の故郷である頭頂に直接吐き出すのである。それから、息を吸うときに、あなたは〈輝き〉を身体に直接吸い込む--特に身体の前面、顔、喉、胸、胃、生殖器の基底部を通して。そうすることで、天上の〈輝き〉を現世の 〈生命〉にもたらし、それから〈生命〉を 〈輝き〉に回帰させる循環が続く--このようにして、下向きのアガペと上向きのエロス、下降と上昇、慈悲と知恵をすべての呼吸ごとに結合させる。

身心全体が快感--至福の循環に満たされるにつれて、あなたは単純に、しかし直接的に、存在する至福をすべて受け取るようになり、〈空〉--あるいは存在の絶対的な〈神秘性〉、あるいは世界の単純な〈透明性〉、あるいは制限され得ない広がりとしての〈神〉、その他あなたに作用する何でも--を瞑想するために、それを使うようになる。実際にそれを行うための簡単な方法は、〈私--私〉として休息を得ることである--それ自体は見られることのない大いなる〈見る者〉、完全に開かれた空っぽの純粋な 〈観照者〉として休息することである。〈私--私〉として休息するとき、あなたは、今のあなたである開かれた空っぽの空間に至福が拡張していくことを許す--あなた自身である〈私--私〉の無限性に至福が拡張し、満たすことを許す。あなたの自覚の大空は、あなた自身である神聖な結合の至福に満たされていく。
欲望も欲求もなく、〈私性(I AMness) 》という広大な至福の状態にあり、無限で満たされるとき、穏やかな、小さな、思考のさざなみが立つ。私は生きとし生けるものすべてをこの自由で開かれた空間に解放することを誓う、と。そしてそれと共に、至福の広大な海から慈悲のさざなみが立つ。この慈悲は、文字通りこの無限の空性の至福から成り立っている。波が海であるように、慈悲は無限の空性の至福である。慈悲とは、活動している「無限の空性の至福」なのである。
したがって、「慈悲として生起する空性を認識する至福」と言えるのだ--言い換えれば、自らの神聖なる基底(〈霊 〉あるいは〈空〉)を認識し、それと再結合する至福は、生きとし生けるものすべてにこの解放と歓喜の恩寵を施そうとすることにおいて、他者への奉仕の中に慈悲として現れるのである。

ケン・ウィルバー 〈ワン・テイスト〉ケン・ウィルバーの日記 より抜粋