サークル、部活、NPOなど、コミュニティ探しのウェブマガジン~みんなのコミュニティ~

近畿エリアの文化&ボランティア団体が書いたブログ一覧

胃の生理的条件を反映した薬物の溶出試験には、pH 1.2の試験液が用いられています。しかし、pH 1.2は、実際の胃よりも低いpH条件(酸性の強い)です。また、胃のpHは個体間差も大きいことが知られています。そこで、胃の生理的pH条件の範囲で、薬物の溶出性がどのように変化するのか?調べてみました。

Yoshikawa, T., Oki, J., Ichikawa, N., Yamashita, S., & Sugano, K. (2021). Small differences in acidic pH condition significantly affect dissolution equivalence between drug products of acidic drug salt. Journal of Drug Delivery Science and Technology, 102546.
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1773224721002264

今回は、ジクロフェナックナトリウムの製剤を用い、pH 1.2, 1.6, および2.0で溶出試験を実施しました。

結果、わずかpH0.4の差でも、製剤間で溶出の同等性が大きく変化することが分かりました。ジクロフェナックのpKaは4.0ですので、pH 3以下では平衡溶解度が、ほぼ同じになります。にもかかわらず、製剤間でこのような大きな差が出る原因として、固体表面での液-液層分離(Lquid-liquid phase separation)という現象が関与していると考えられました。

解離性薬物の場合、塩にすることで水溶性が向上するため、多くの医薬品原薬は塩になっております。しかし、塩に..

つづき、

Part 2の部分は、モデルの選択と検証です。

まずは、モデルの選択についてです。
数理モデルを選択する際の評価基準は、以下に良くまとまっています。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%B0%E7%90%86%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB#%E8%A9%95%E4%BE%A1%E5%9F%BA%E6%BA%96

超簡単にまとめると、
(A)用途に応じて
(B)なるべく単純なモデル
を選択する、です。

これは、アインシュタインの
Everything should be made as simple as possible, but not simpler.
という言葉に良く表されています。

これに関しても、大きな反論がありました。反論をまとめると、
(i)シンプルなモデルを使用する人は、実際の現象(経口吸収や薬物動態)が複雑だということを理解していない。
(ii)複雑な現象は、シンプルなモデルでは予測・説明できない(人種差など)。

まず、(i)ですが、シンプルなモデルを選択する際、モデルの使用者は、何が現象の本質なのか、何が無視できるのか、どのような近似が適切なのか?、十分認識しています。シンプルだからこそ、近似が入っていることが誰にでも明白なのです。

自分は、むしろ、複雑なモデルの細部を無意識に”デフォルト”として使用し、そのモデルを過信するほうが危険だと思います。

例えば、薬物析出のデフォルトを、半減期900秒の1次速度とするソフトがあり..