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滋賀県の文化&ボランティア団体が書いた2021年3月のブログ一覧

Lost in modelling and simulation?
https://pub.iapchem.org/ojs/index.php/admet/article/view/923/1276

この論文では、経口吸収PBPK modelで迷子になった方々のために、以下の3点について解説しました。
(1) PBPK論文執筆における留意事項
(2) モデルの検証と選択
(3) 臨床データに対するパラメータフィッテイング(Middle-out approach)

今回は、(1)についてです。(1)は要するに、モデル式と生理学的パラメータを公開しましょう(Black boxはやめましょう)、ということです。科学論文としては当たり前ですよね?ところが、これまでに、かなりの反論を受けました。反論をまとめると、

(i) 同じインプットパラメータとソフト(同一バージョン)を使えば、モデル式と生理学的パラメータを公開しなくても、再現性は確認できる。
(ii) 多岐にわたる数式やパラメータを、実際にチェックする人はいない。
(iii) 商用ソフトなので開示できない。

です。サイエンスにおける「公開」の重要性を理解していないのかな?と思います。

(i)は、「再現性(reproducibility)」という言葉を、誤解していると思います。数理モデルの論文における再現性とは、計算過程をtraceできる(独立に再現できる)、ということです。
たとえば、エクセルシートを用いた計算では、同じシートを用いて、インプットパラメータを同じにすれば、..

Simple bicarbonate buffer system for dissolution testing: floating lid method and its application to colonic drug delivery system
Journal of Drug Delivery Science and Technology
Available online 27 February 2021, 102447

小腸の消化管液は炭酸により緩衝されています。一方、製剤の溶出試験には、これまでリン酸緩衝液が用いられてきました。本来、溶出試験には炭酸緩衝液を使用した方が良いのですが、炭酸緩衝液を大気中でそのまま使用すると、炭酸が抜けてしまい、pHがすぐに上昇してしまいます。

HCO3- + H+ ⇆ H2CO3 ⇆ H2O + CO2 (pKa = 6.04 at 37℃)

そこで、炭酸緩衝液を溶出試験に使用する際、これまでは、溶液中に二酸化炭素をバブリングして補っていました。しかし、この方法では、二酸化炭素ボンベとpHモニター付き自動レギュレータが必要でした。また、胆汁酸などの界面活性剤を用いる場合、バブリングにより泡が発生してしまいます。

しかし、なんと!、落し蓋をするだけで、炭酸緩衝液のpHをほぼ一定に維持できます(3時間でpH 0.1単位以下の上昇)。僕自身、初めてデータを見たときは、こんな簡単な方法でpHを維持できることに、とても驚きました。

実は二酸化炭素の水への溶解度はそこそこ高いのです(25 mM程度。消化管液の炭酸濃度はこれよりも低い。)。したがって、これ以下の濃..