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池袋スポーツセンター

 素振りのすすめ

2016-03-19
私は、なるべく稽古時間より早めに、道場に行くようにしている。
素振りをするためだ。
素振りをすることが、合気道に直接つながりがないと思われる方もいると思うが、私にとっては、大真面目に、素振りそのものが、身体作り、基本動作の反復練習そのものに思える。
池波正太郎の時代劇の小説に出てくることを思い出す。
江戸時代の剣術の修行の始めは、まず、重い木刀で、素振りをすること。
これは、小説だけの話でなく、実際そうだったと思える。
というのは、今、武道の習い事は、技を教えることから始めているが、昔は、まず、体を作ってからでないと、技を学べなかったのである。
かつて、王先生が、ある程度、他で、なにか武道をならってないと、入門を許さなかったのは、多分、同じ事だと思う。
せっかく技を覚えても、基本的な姿勢が崩れては、本当に技をかけるということに繫がらない。
外から、見ている分に、単に木刀を振っているようにしか見えないが、素振りそのものに奥が深い。
ちゃんと送り足ができているか、動く際、姿勢がまっすぐか、ちゃんと足腰から腕を挙げているか、呼吸と素振りの振りが調和しているか。
素振りをすればするほど、奥が深いように思える。
私としては、なるべく重い木刀で素振りをし、その木刀を相手の腕をイメージして、呼吸法の訓練も兼ねている。
言うは易し、継続するのは本当に根気がいる。
ありがたいことに、高校生までの剣道の経験と、アメリカで素振りによって強さを見せて頂いた先生をお手本にしていることができるため、私にとって、素振りは基本中の基本であり、いくら積み重ねても、十分でないことを常に感じているため、あきることはない。
他の人にも、すすめたい。
ちゃんと、素振りを毎日のようにすることで、普段の稽古も、違ったように見える日が来ると。
よって、本当に、合気道を目指す人には、素振りをお勧めしたい。