太極拳の痛みは太極拳がとる 本文

2014-07-30
気を取り直して。

皆さん、進歩の度合いによって、体感さまざまだと思います。皆さんは私と違って、健康な状態からスタートですが、私の場合は爆弾を抱えた状態で始めたので、少々事情が違います。

もう一つのブログに詳しく書いていますが、修業開始当時の私は食事がとれない為、直ぐに体調をおかしくしてしまいます。おかしくしてしまう理由は、


太極拳の養生のメソッドに栄養が追い付かない
太極拳の運動で単純に筋肉痛になる

この2種類です。

脚がパンパンになる、とか、膝が痛いとか、振脚で踵が痛くて歩けんとか、そのくらいでしたら別に大した問題ではないのです。
私の場合、元々の腰痛持ちも災いして、2月に一度は強度の腰痛に。しかもまっすぐ立てず、前から見るとくの字に身体が曲がった状態です。トイレに行くのも、食事をとるのも厄介です。授業でチョークを持っても、黒板の上の方まで手が上がりません。

当時の洛陽にはバンテリンは売っていませんし、バンテリンでとれる程度の痛みでもありません。日本のお医者さんに行けば、注射で一撃で治ります。局部的にこっている処を緩めると言う事。

ですが、洛陽ではそう言うお医者さんを探す事は当時の私には無理です。

仕方がないので、師娘の診療所に行くと、『良し!任せとけ!!』と言われて、マッサージ治療をしてもらいました。

師娘のマッサージは、ふくらはぎから頚の方までを掌で押すようなやり方でした。故障個所を揉むと言うより、全体に散らす感じです。マッサージ屋さんのマッサージよりも断然効きます。

『陳氏太極拳だ。これぐらいできて当然!!』

・・・・余談になりますが、陳氏太極拳の練習を続けると、段々対象者の体調や故障個所に対する感覚が出てきます。私も簡単な指圧治療くらいなら当然!です。


タイトルの『太極拳の痛みは太極拳がとる』と言うのは、当時の私を見てくれていた師娘が呟いた言葉です。

元々、『太極拳を練習したらサッパリして気が漲ってきた!と言うのは偽物。老人の健康向け登山でも汗をかき、筋肉痛になる。ましてや陳氏太極拳は武術であり、体質を変える技術だ。』と常々言っていましたので、私は腰が痛かろうが、自分が出来る範囲、痛くない姿勢を探りながら練習を続けました。

ここからは長くなるので割愛。

1年後には腰痛らしい腰痛は無くなりました。体質の変化が既に始まっていて、体格・骨格の変化が始まっていたようです。

もっとも、結婚後に練習を停められた3年間で体調をカナリ崩し、腰痛が再発して大変でした。現在の腰痛は家族にキングコングニーを腰に・・・・

話がずれました。

体調の良しあし、不調は外面に現れます。太極拳は体内の力で外側を動かす。

すなわち、内側の調和無くして外側が巧く動くわけがない。
逆にいえば、外側を正しく動かす事によって、体内の調律をしていると言う事。

内外合一。

ただし、体調が悪い時は自分のペースを自分の身体にキチンと聞く事。
内観。

そして、私の指導によって発生する練習中の違和感は

『練習が体術として間違っている場合』
『身体が次の段階に移ろうとしている場合』
『体術が連動し、次の段階に行く為に現在の矛盾に反応し始めた場合』

以上、大まかに3つが原因となります。

すなわち、練習する事によって、様々な体感があると言う事。

人によっては『お腹がごろごろする』『食欲が尋常でない量』『一時的に指が震える』『感覚が鋭敏になりすぎ』『代謝が激しくなり、垢がすごい』などなど。

ちなみに、それは現在の私にも当てはまります。

頑張りましょう。

路は長いのだ。