主な活動場所
川崎市立苅宿小学校図書室

 2月の黒板装飾

2023-02-25
冬から春の合間と言われる、今の季節。
三寒四温で気温の変化も激しい昨今ですが、体調などお変わりないでしょうか?

図書室の黒板は、一足早くひなまつり模様となりました。
とっても愛らしいお雛様お内裏様、三人官女に五人囃子。
ヨム君とゆめみちゃんとの不思議な一体感もあり、温かみもあり…
春らしくてとても良い黒板装飾ですよね。
ほんとうに、春がとっても待ち遠しいです。



現実はまだまだ寒い日も続くので、せめて心がすこしあったかくなるお話を…
ここで再三お話していた「三年生企画」について、今日は続報をお伝えします。
企画は2月2日からスタートし、計3回のうち既に2回までが終了しました。
読んでいる本は、イラストレータのなかむらみつるさん作、「やさしいあくま」です。

簡単なあらすじをお伝えしますね。

一人ぼっちで病気のおばあちゃんのお世話をしている、孤独な子供フウ。
ある日迷子になってしまった彼の前に、同じく一人ぼっちの悪魔・チュッチュが現れます。
フウとチュッチュはたちまち意気投合、毎日のように会っては、かけがえのない友情をはぐくんでいきます。
ですが二人の友情には、その先にとても悲しい運命が待ち受けているのでした…

(このさわりでもう気になって仕方がない!という人は、
ぜひ図書館で借りるなど、読む機会を持ってみてくださいね。)

端的にまとめると、この本のテーマは「究極の自己犠牲」でした。
お話の中には、自分の生をも差し出して、大切なものを守る人が出てきます。
…もしかしたら、子供達には少々重いテーマかもしれません。

ですが、実際に企画に参加したヨムヨムメンバーさんの話によると、三年生たちは皆とても真剣に、このお話に向き合っている様子だったと。
いつもは、コメントや時にはヤジのようなものが飛ぶことがある、そんな明るい朝読みの会ですが、この企画時にはそのようなことはなく、どの子もとても真剣に、ただ静かにお話に聞き入っていた…とのことでした。

苅小の子供たちが、向き合うにはすこし勇気のいるテーマに対しても、きちんと対面できる強さのある子達で良かったなぁと、筆者はそんなふうに感じました。
それぞれどんな感想を抱いたとしても、心に何かしらは残っていくはずです。

コロナ禍を通り過ぎて、世界では戦争が今も続いています。
きっとこの先の世の中でも、悲しい出来事や残酷な事象はどこかで起こり続けるでしょう。
ですが、自己犠牲…は難しいながらも、誰かを想い、時にやさしさや思いやりで相手をおもんばかる気持ちだけは、子どもたちに変わらず持ち続けて欲しいと、切に願います。

もしかしたら読み聞かせ活動が、明るく優しい未来をはぐくむ、ささやかなお手伝いになるかもしれません。
ヨムヨムメンバーはそんな気持ちを持ちながら、今日も日々の活動に勤しんでいます。