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 あはき療養費の治療回数制限

2021-06-19
あはき療養費の治療回数制限   久下 勝通
保険者の判断による 過度・頻回な施術は償還払いへ変更する
 4月28日付の厚労省通知、保発0428第1号により、5ヶ月以上 月16 回以上の施術が実施されている患者について、施術効果を超えた過度・頻回な施術と保険者が判断した場合は、償還払いへ変更するとい取り扱いになりました。
 厚労省通知では、「直近の2年のうち5ヶ月以上月16回以上の施術が実施されている患者について、施術回数が頻回であり、標準的な施術回数等から勘案して、施術効果を超えた過度・頻回な施術である可能性がある旨を事前に施術管理者及び患者に対して通知する、「長期・頻回警告通知」を行うことを求めています。
 保険者の「長期・頻回警告通知」が出された後も月16回以上の施術を行う場合には、「療養費支給申請書の提出の際に「頻回な施術を必要とした詳細な理由及び今後の施術計画書」」の提出を求め、保険者が検討し、療養上必要な範囲及び限度を超えた過度な施術でないことが」判断できない場合は、受領委任払いの取り扱いを中止するというのです。 
     根拠不明の施術回数制限
 保険者の判断で受領委任払いを中止するというのですが、「療養上必要な範囲及び限度を超えた過度な施術でない」という判断はなにを基準として行うのでしょうか。通知では明らかにされていません。
通知では、施術回数を規制するための表現はいろいろ並べられるですが、規制の根拠や理由は示されていません。
「施術効果を超えた過度・頻回な施術」とは、どのような施術でしょう。
「療養上必要な範囲及び限度を超えた過度な施術」というはどのような施術でしょうか、保険者に判断が可能なのでしょうか。
明らかなのは、2年の間に月16回以上の施術が5ヶ月以上ある場合は、過度・頻回な施術である可能性があるという、厚労省通知が示す治療回数の制限の見解です。過度・頻回な施術である可能性があるという見解の根拠は示されていません。
根拠のない施術回数の制限通知ですが、通知は保険者の判断の基準とされていくのです。根拠不明の施術回数制限はであることを忘れず、患者が必要とする治療は、患者とともに認めさせていきましょう。

保発 0428 第1号 令和3年4月28日 「はり師、きゅう師及びあん摩マッサージ指圧師の施術に係る 療養費に関する受領委任の取扱いについて」の一部改正について。(平成 30 年6月12日 保発 0612 第2号厚生労働省保険明日から局長通知)により取り扱われているところであるが、今般、当該通知の一 部を下記のとおり改正し、本年7月1日以降の施術分から適用することとしたので、貴管 下の関係者に周知を図るとともに、円滑に取り扱われるよう御配慮願いたい。

(通知の改正 保発 0612 第2号厚生労働省保険局長通知に、以下9章が新たに挿入され)
第9章 長期・頻回な施術について(個々の患者ごとの支払方法の変更)
(保険者の行う通知・確認)
44 保険者が、施術の必要性について個々の患者ごとに確認する必要があると合理的に認めた場合については、保険者は、次に掲げる項目を通知及び確認することにより当該患者の施術について償還払いに戻すことができること。
(1) 施行日(令和3年7月1日)以降において、初療日から2年 以上施術が実施されており、かつ直近の2年のうち5ヶ月以上 月 16 回以上の施術が実施されている患者について、施術回数が頻回であり、標準的な施術回数等から勘案して、施術効果を超 えた過度・頻回な施術である可能性がある旨を事前に施術管理 者及び患者に対して通知する(以下「長期・頻回警告通知」と いう。)。
なお、患者が施術所及び保険者を変更した場合は、「初 療日から2年以上」とは変更前の施術所の初療日を基準とし、変更前の保険者における月 16 回以上の施術月も含めることと する。
(2) (1)に該当する患者について、長期・頻回警告通知が到着した月の翌月以降に、更に月 16 回以上の施術が行われた場合には、
「はり師、きゅう師及びあん摩・マッサージ・指圧師の施術に 係る療養費の支給の留意事項等について」(平成 16 年 10 月1日 付け保医発第 1001002 号厚生労働省保険局医療課長通知)の別 添1(別紙5)の「1年以上・月 16 回以上施術継続理由・状態 記入書(はり・きゅう用)」又は
同別添2(別紙5)の「1年以 上・月 16 回以上施術継続理由・状態記入書(マッサージ用)」を確認し、併せて施術管理者から提出させた「頻回な施術を必要とした詳細な理由及び今後の施術計画書」(別添1(様式第 11 号)又は同(様式第 11 の2号))を確認する。
(3) 上記の項目を確認した結果、施術効果を超えた過度・頻回な 施術が疑われる場合は、施術管理者及び患者に対して償還払い に変更する旨を通知する(以下「償還払い変更通知」という。)。
(施術管理者の対応)
45 施術管理者は、44 により保険者から通知を受けた場合に、当該 患者の施術に係る療養費の請求について、次に掲げる対応を行うこと。
(1)長期・頻回警告通知が到着した月の翌月以降に、更に月 16 回以上の施術を行う場合には療養費支給申請書の提出の際に 「頻回な施術を必要とした詳細な理由及び今後の施術計画書」(別添1(様式第 11 号)又は同(様式第 11 の2号))を添付す ること。
(2)償還払い変更通知が到着した月の翌月以降の施術分について は、受領委任払いの取扱いを中止すること。
(受領委任払いの取扱いの再開)
46 保険者は、必要に応じて同意を受けた主治の医師や施術管理者等に確認のうえ、療養上必要な範囲及び限度を超えた過度な施術でないことが判断できた場合には、償還払いから受領委任払いへ の取扱いに戻すことが可能であること。
また、その場合には、保険者は、事前に当該患者に対して通知する(以下「受領委任払い再開通知」という。)こと。 保険者から受領委任払い再開通知を受けた患者が、当該通知を 施術管理者に示すことにより、施術管理者は次回請求分(通知年 月日の翌月の施術に係る請求分)から受領委任払いの取扱いを再 開できること。

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一般社団法人 鍼灸マッサージ師会: