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東京都

 追悼トム・ペティ

2017-10-06
大好きなミュージシャンの訃報はいつも残念に思うが、今回はなぜか涙腺を直撃した。トムペティが亡くなった。

高校生の頃、衝撃の覆面ユニットがデビューした。当時通っていた塾の先生に教えてもらったのだが、その名はトラヴェリング・ウィルベリーズというユニット。元ビートルズのジョージハリスン、ボブディラン、ロイオービソン、ジェフリンそしてトムペティと超の付く大物が集まったユニットだった。しかしながら私はこの時、ジョージとディランぐらいしか知らず、ロイオービソンはプリティウーマンを歌っている人と聞いてああと思うぐらいだった。ジェフリンとトムペティは知らなかったのだが、このバンドの PVを観てメンバー1人1人に夢中になってしまった。

The Traveling Wilburys - Handle With Care
https://www.youtube.com/watch?v=1o4s1KVJaVA

ジョージの歌メロの素晴らしさとスライドギター、ディランのダミ声とブルースハープ、ロイオービソンの超絶美声、ジェフリンのプロデュース力と渋さ、そしてトムのクールなかっこ良さが溢れ、またこの雰囲気はこの時リリースされたアルバム全体通して踏襲されている。この時のインタビューでジェフリンだったか忘れたが「僕たちはコンピューターが嫌いなので、僕たちの音楽は木の音がするよ」と答えていて、そんな空気感の音楽性にも強く憧れた。

またこの頃はこのユニットは本当に仲が良かったのか、それぞれのソロアルバムにこぞってこのユニットのメンバーが参加していたのだ。

当時のトラヴェリング・ウィルベリーズメンバーのソロアルバム曲
Roy Orbison - She's a Mystery to Me
https://www.youtube.com/watch?v=UJUEV46n6yY

Tom Petty - Learning To Fly
https://www.youtube.com/watch?v=s5BJXwNeKsQ

しかしこのトラヴェリング・ウィルベリーズは悲劇に見舞われる。アルバムのセールスも好調で、このユニットでのワールドツアーが組まれた矢先にロイオービソンが心臓発作により突然他界してしまう。私も日本に来るのを楽しみしていたのだが、幻に終わってしまった。またその後、デルシャノンを加えてセカンドアルバムのレコーディングしたのだが、デルシャノンが自殺してしまう。この出来事の後は呪われたユニットとか言われたりもしてた。セカンドは結局発売されることもなく、亡くなったロイやデルシャノンを除いた4人を中心にレコーディングされたVol3を発表して事実上解散してしまった。その後、ジョージも亡くなり、ディランとジェフリンとトムが頑張っていたのだがついにトムも逝ってしまった。

トムペティは日本では過小評価されているミュージシャンと言われてきた。欧米での人気はカリスマ級だが、日本での知名度が低いのだ。なので1986年にボブディランのバックとしてトムペティ&ハートブレーカーズで来日が最後らしい。欧米ではスタジアム級でワンマンをやるようなアーティストなのに日本だとせいぜい2,000名程度のホールが精一杯なので、ビジネスにならなかったのだろう。

訃報を聞いて久しぶりにトムペティのYoutubeをいくつか観た。コメント欄は英語の追悼コメントで埋め尽くされている。もしかしたらトムの家族やハートブレーカーズのメンバーが見るかもしれないと思い、ある動画に日本語で追悼コメントを書かせてもらった。英語圏以外にもトムの死を悲しんでいる人間がいるんだよって思って欲しくて。

Tom Petty - The Super Bowl - American Girl
※この動画にコメントしたわけではありません
https://www.youtube.com/watch?v=XsSZI5C2S50

そしてCold Playは自分たちのライブの冒頭でトムのために黙祷を捧げ、トムの代表曲Free Fallin'を演奏した。そしてCold Playのファンがトムの曲を大合唱するのを観て涙が止まらなくなった。

Coldplay performing Free Fallin' - Tribute to Tom Petty (Portland, 2 October)
https://www.youtube.com/watch?v=12MQNUm9iBE

また素晴らしいアーティストが旅立ってしまった。でも何がきっかけでもいいと思う。アーティストはいつだって1人でも多くの人に自分の音楽を届けたいはず。もっとトムの音楽を聴く人が増えればいいな。俺はライブ観に行きたかったよ。安らかに