【特別インタビュー】中高生向けのクイズスケジュール管理者・藤田奏歩さんインタビュー
2026-04-27
お世話になっております、一心精進代表の市川尚志です。
本日のブログでは、近年中高クイズ研で活用されている「中高生向けのクイズスケジュール」の管理者の方にインタビューさせていただいたので、その結果を掲載させていただくことにしました。
こちらに関して、背景を説明させていただきます。
「中高生向けのクイズスケジュール」は、中高生有志で運営が行われている、中高生向けのクイズ大会のスケジュールを掲載しているスプレッドシートです。主にX上で告知が行われたクイズ大会情報を、有志の運営が収集し、リスト化しています。
私・市川としては、「中高生向けのクイズスケジュール」の運営活動に対し、心より尊敬の念を抱いております。中高生のプレイヤーが欲しい情報がわかりやすく一覧表で閲覧でき、かつその状態が日々保たれている運営ができており、そのシンプルな見易さは一心精進リニューアルの際に一つの目指すべき形として現開発陣にも参考として紹介いたしました。
このサイトについて、仮に順調に運営できているならば、中高生の素晴らしい自治活動であり、大人としては静かに見守るべきものと考えています。
一方で、「掲載者の意思で掲載を申請する」一心精進と異なり、「管理者がすべてのX情報を集め、表にする」という管理側に負荷が集中する運営は、「更新担当に負荷がかかってないか」「楽しくやれているか」について大変気になっておりました。
なぜそう考えているのかを説明します。かつての一心精進の前身「Syu's quiz page」は、管理者本人が気になる大会情報を一覧表にしていたのがスタートでしたが、その後掲載希望を募るようになり情報が集まるようになっていきました。当初は「私の大会を勝手に載せないでくれ」といったクレームも存在したと伺っており、途中からは告知を希望する大会だけを掲載する方向にシフトしていったと伺っています。またその後ニシダアツシさんに引き継がれ「一心精進」となった後も告知数は増え続け、更新側に作業量とプレッシャーが増していったことも事実です。この様子を踏まえ(私も含む)有志にて告知管理を自動化するPjが起草され、「新・一心精進」が開発されました。手作業で更新を担当していたニシダアツシ氏は、「2017年に自動化された「新・一心精進」が誕生しなかったら、もう処理が回らなかった」と後から振り返っています。
仮に「中高生向けのクイズスケジュール」の運用において中高生の特定誰かに運営のひずみが来ているようなら、一心精進としては「一心精進のインフラを何らかうまく使っていただく(そのために足りない機能があるなら追加開発する)」といった取り組みをする準備はございます。一心精進は「クイズイベントを開く・参加するすべてのクイズプレイヤーの支援をしていく」立場だからです。
といった点において、まずは現状を知るべきにもかかわらず、実際に運用している中高生の声を全く聞けてなかった状態が続いておりました。今回、藤田さんのご厚意で貴重なお話を伺えることになりました。
Q.自己紹介をお願い致します。
A.藤田奏歩と申します。高校3年生になった4月からはクイズの活動は一旦休止しています。3月までプレイヤーとして多くの大会に参加しつつ、「中高生向けのクイズ大会日程表」の編集権限を他校の先輩から引き継がせていただき、管理を行ってきました。
Q.「中高生向けのクイズスケジュール」の管理をするようになったきっかけは何でしょう?
A.数年前まで、中高クイズの大会情報を拡散して告知するXのアカウント(有志の管理者が更新をしていました)があり、私たち中高生はそれを頼りに大会を探していました。しかし、そのアカウントの更新が止まってしまい、情報収集が各個人の検索や知人からの宣伝、拡散に委ねられるようになりました。 「このままでは、大会に参加したい人(特に新入生やSNSを頻繁には閲覧しない人)が大会の存在を認知すらできないケースが増える」という問題を認識するようになった人が増え、そのアカウントが以前更新していたスプレッドシートのテンプレートを引き継いで管理し始めた方がいたのが始まりです。その方が大学受験でクイズを一度引退するのを機に、管理を引き継がせていただきました。
Q.現状行っている(行ってきた)運営内容や作業内容、その苦労を教えてください。
A.大会の告知をXで見つけ次第、スプレッドシートに手作業で追記していくという作業です。 苦労するのは、やはり「見落としへのプレッシャー」です。自分が載せ忘れたせいで参加者が減ってしまったら少し申し訳ないですし、逆に間違った情報を載せてしまうのも怖いです。定期開催の大規模大会については自然に情報が目に入ってきますが、比較的規模の小さい大会や関東から離れた地方で開催される大会は掲載が漏れることもありました。(そのような場合はDMで掲載依頼を頂くケースが多かったです)また、大会の日程や会場、問題コンセプトの変更など、後から情報が変わることも非常に多いので、一度載せたら終わりではなく、定期的に各大会のアカウントを巡回して確認・更新する手間がかなりかかっていました。
Q.「中高生向けのクイズスケジュール」の管理をしていくモチベーションはどこからわいてきますか?
A.一番は、同じクイズプレイヤーの皆様から「あのシートがあるから大会を探しやすい」などと直接言ってもらえたり、Xで引用されたりすることです。また、現在の中高クイズ界では学校単位で主催する大会に加え、同期のコミュニティや意欲的な個人によって様々なカラーの大会が多数開催されており、スケジュールの把握がより大変になっています。長期休み期間中などは、連日のようにどこかでクイズ大会が開催されています。膨大な情報を一つの場所にまとめることで、一人一人が「自分はどの大会に出場したいか」「いつ、どこに足を運ぶべきか」を選ぶ・把握するプロセスを支えられるのではないか、と考えました。
Q.おそらく4月からは新高3ということで管理を引退されると思うのですが、今後の運営体制がどうなってくのでしょうか?その点の心配などあればお聞かせください。
A.はい、受験もあるので私は昨年度でメインの管理からは退かせていただきました。現在は次の世代の有志数名に管理権限を共有し、引き継ぎを行っています。 ただ、市川さんがおっしゃる通り、完全に「手作業の善意」に依存しているシステムなので、引き継いでくれた方に過度な作業負荷をかけてしまうことは本当に心配しています。彼らも学業や個人のクイズ活動がある中で、継続的に情報収集をするのは大変ですし、もしモチベーションが保てなくなって更新が滞ってしまった時、彼らが責められるようなことにならないかという不安もあります。
Q.現状、クイズイベントのスケジュール管理として「一心精進」というサイトも存在します。「一心精進」に対して感じていること、要望などあれば自由に聞かせてください。
A.一心精進さんは、私たち中高生にとっても「クイズ大会の公式な情報源」という認識で、その網羅性とシステムの質の高さは本当に尊敬しています。 ただ、中高生が内輪で開く小さな大会・企画だと、「一心精進さんに掲載申請をするのはおこがましい」「フォーマットに沿って申請するのが少しハードルが高い」と感じてしまう主催者が多いのではないかと推察しています。 もし可能であれば、「中高生限定大会」や「初心者向け大会」の申請ハードルが心理的に下がるような工夫があったり、スマホでパッと見た時に「自分が参加できる中高生向けの大会」だけを簡単に絞り込んで一覧表示できる機能があると、さらに中高生にとっても身近で使いやすいサイトになるのかなと思います。
もっとも、現在の中高生はXのみで情報収集を完結させてしまう傾向にあると思います。必ずしもサイト側に改善すべき点があるというよりは、むしろ中高生側の行動パターンに起因する部分が大きいのではないかと感じています。
Q.「中高生向けのクイズスケジュール」の管理に関すること、そうでないこと含め、(「一心精進」運営を含む)大学生以上クイズプレイヤー有志に対して望むこと(何か手伝ってほしいこと、要望したいこと)などあれば教えてください。
A.今回市川さんから「一心精進のインフラをうまく使っていただく取り組みをする準備がある」と言っていただき、本当に感謝しています。もし一心精進さんのシステムの一部をお借りして、中高生向けの大会の情報も主催者や管理者の負荷なく自動的に一覧化されるような仕組みが作れたら、中高生の負担を劇的に減らすことができると思います。 また、スケジュール管理以外でも、作問や問題選定時の心構えや当日の進行のコツ、トラブル対応など、大会運営のノウハウを大学生以上の先輩方から学べる機会やガイドラインのようなものがもっとあれば、中高のクイズ界全体がさらに安心して積極的に大会を開けるようになるのではないかと思っています。以前に関東クイズ連合(KQA)の連合長を務めていた際、加盟校が毎年開催する「KQA例会」の運営マニュアルを作成しようと模索していました。しかし、比較的時間のある高校2年生の間にまとめ上げることができず、完成の目処が立たないまま引き継ぎを行ってしまったという悔いがあります。こうした知見を形にする作業は、中高生だけで完結させるにはやはり限界がありますので、可能であれば先輩方のお力も借りながらまとめていきたいと考えております。
Q.最後に、こちらをご覧の皆様に一言お願い致します。
A.今年度も各地で多種多様な大会が開催されると思いますが、全ての大会が無事成功に終わることを祈っております。私も受験が終わったら、またプレイヤーとして全力でクイズができるのを楽しみにしています!
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
藤田さん、大変お忙しい中、ありがとうございました。本インタビューの構想は2026年1月頃からあったのですが、色々な都合で藤田さんが管理者引退後となった本日の掲載となりましたことをまずお詫びいたします。
その上で、インタビューでは大変貴重なご意見を伺えたことをありがたく思います。以上のインタビューも踏まえ、一心精進としては以下の方針を考えています。
1.2026年7月バージョンでの中高校生プレイヤー向けの機能追加
2026年7月までの開発予定では、中高生の皆様により使いやすくする開発をいくつか盛り込んでいます。
特に、ご要望のあった「「自分が参加できる中高生向けの大会」だけを簡単に絞り込んで一覧表示できる機能」については現状優先して取り組む問題と考えております。これを踏まえ、「今後開催される一心精進掲載大会のうち、中高生向けにお勧めの大会一覧(中高生向けレギュor初心者向け大会orクイズ歴制限のある大会の検索結果)」を直接リンクできる機能が7月に実装できる見込みです。これができることで、高校生にも見やすい大会一覧にアクセスしやすくなるのではと考えています。また、ハッシュタグ検索機能も考えております。「#KQA例会 #CJQL例会」といった、高校生向け例会であることをわかりやすく検索できるような機能も盛り込む予定です。
2.その他のご意見について
他、いただいたご意見について、現時点での市川としての考えを回答させていただきます。
「一心精進さんに掲載申請をするのはおこがましい」・・・こちらについては全く気にする必要はなく、一心精進は主催者が広く告知することを希望する全てのクイズイベント大会・例会の掲載を歓迎致します。現状我々の力不足から告知に手間がかかる部分がありますが、中高生の皆様も広く告知したいクイズ関連イベントであれば規模を問わず遠慮なく告知を行ってください。
「フォーマットに沿って申請するのが少しハードルが高い」・・・こちらについては、より申請を簡単にする仕組みは今後検討していきたいと考えます。
「中高生向けの大会情報も主催者や管理者の負荷なく自動的に一覧化されるような仕組み」・・・たとえばX上で主催が告知した大会を自動的に拾う機能になると思いますが、こちらは今後議論が必要と考えます。過去の経緯から「主催者が望まない大会」の掲載を勝手に行うことでトラブルも起きているからです。ハッシュタグで何かを入れていただけたら大会を拾い出してきて掲載する・・・といった機能ならば今後考えうるかもしれません。
「スケジュール管理以外でも、作問や問題選定時の心構えや当日の進行のコツ、トラブル対応など、大会運営のノウハウを大学生以上の先輩方から学べる機会やガイドラインのようなものがもっとあれば」・・・一心精進はクイズイベントをサポートする立場でもあります。開催ノウハウ共有サイトのようなサイトは多くの場所に散逸している現状であり、今後「一心精進」のインフラを使ってこういった情報をまとめる取り組みも視野に入れたいと考えております。(協力したい、という方は歓迎致します!)
以上、今後も中高生プレイヤーも含む、全てのクイズプレイヤーがより大会を開きやすく、また参加しやすくなるよう、運営を続けてまいりますので宜しくお願い致します。
インタビュアー・市川尚志