倉庫より愛を込めて

2016-07-22
はっ!!
私は夢を見ていたのでしょうか…
棚卸を始めて……気がついたら3週間以上経っておりました!
そうなのです、実は「本棚卸」がまだ終わっておりません。
エンドレスです。

これまで私が百貨店で経験した「棚卸」というものは
閉店後に従業員総出で一気に行う重大行事。
入念な計画ときめ細やかな事前準備のもと
緊張感あふれるフロアに集合し
貼り出された紙によって知らされる読上者と記録者がタッグを組み
決して焦らず、決して誤魔化さず
記入が終わった棚に「棚卸済」を意味する赤い紙を確実に置いていく作業。
早く終わったチームは、苦戦しているチームのサポートに入り
得てして生まれる友情、駆け引き、感動さえ覚える人間ドラマ…。

そして全館・全出張所から集計されたその数字が
まるでお店の通知表のようにその期の評価へと…表れるものでした。

しかし…
いま取り組んでいる「棚卸」はもはや「棚卸」ではなく
「断捨離」のような作業。

…いや、これ以上は言うまい。
「愚痴はいかに高尚な内容でも、決して役には立たない」と
今日の日めくりにもあったではないか。

それよりも、楽しもう。
創業80有余年のお店の倉庫には
不良在… もとい文化遺産と呼ばれる日も近いお宝が眠っていたのでございます!

※クリックすると拡大できます


どうですこれ!!

古き良き昭和の香り、
「ガリ版」と呼ばれた「謄写版」の原稿用紙と原稿台(鑢盤)!
「おおお!」というざわめきが聞こえてきますな!

小学校の階段下の小部屋で
インクの匂いに包まれて
先生のクセのある字で綴られた学級新聞を刷った日々。
新聞係として、鉄筆で原稿用紙にガリガリと書き込んだあの感触、
級友の描いたヘンテコな絵の味わい、手作りのビラができた時の喜び!
40年の時を超えて
こうやって再び目にするとは思いもよりませんでした。
メーカーさんの「堀井」や「キング鑢」「サカタヤスリ」のロゴがアートでレトロ。
説明文に書かれた「ゴヂック体」という表記もたまりません。


そして、「木」でできたファイル!

ちゃんと書類を綴じられる、2穴のリングファイルですよこれ。
厚さ4cmほどありますからA4の普通紙なら200〜300枚いけまっせ。
そもそも、紙も木から作られたもの。
間伐材を使用したこの「木製ファイル」、
役目を終えた暁には「古紙」としてリサイクルできるという優しさ。
当店一点モノの本品は10年物らしいですが
このメーカーさんは福岡で現在もこの「木のファイル」シリーズを製造されております。
今や、環境に配慮した製品づくりは企業の良識。
「地球に優しい」という言葉の原点を見たような気がします。

かつて活躍したモノと
これからの出番を待つ品々が並ぶ倉庫。
「お蔵入り」もあれば「蔵出し」もアリ。
ホコリアレルギーと闘いながら
今日も私は棚卸に励むのでありました。。。



「お蔵入り」といえば
県民百貨店時代の新聞広告「一生青春」シリーズで
唯一、お蔵入りとなった広告が。

H川カメラマン渾身のカットでありました。
今見ても、惚れ惚れするほど美しい。



このブログを始めて一年。
白い百貨店は 壊れてなくなるのではなく「白い雲になる」という
その過程を見守りたいと
過去の広告を紹介しながら「卒業生」達の今日に触れてきました。

思いもよらない大地震に見舞われ
生活が一変し
思い出深い風景の変貌に押しつぶされそうになった春。
そして容赦ない大雨。

自然の猛威の前に
人間ができることは小さすぎるけれど
昨日よりはもっと
空の動きや土の声に心を寄せて
この星の住人として歩んでいこう―

そんなこんなで、今日のラストは
阿蘇・高森で農業を営む
熊本岩田屋OB、Y片さん夫妻の星型キュウリ。
7月7日、蔦屋書店熊本三年坂1階の「ヒノマルマルシェ」に並んだとの一報を受け
早速行ってきました!
(ブログのアップができず遅くなりましたが)

そのキュートな形のみならず
「果肉」の色が鮮やかで舌触りもなめらか。
厚切りでポリポリがおススメですが
薄切りでサラダや酢の物にしても楽しいですよ。



もうすぐ夏休み。
旬のお野菜をたくさん食べて
大人も子供も成長する夏にしようね。