大峰山弥山川双門滝コース登山(救助ヘリ目撃)

2020-09-22
日時:2020年9月21日(月祭日)
メンバー:fujichan(CL)記録、リエサン
天気:晴れ時々曇り
<コースタイム>熊渡(車駐車)
熊渡5:30→6:30釜滝6:40→8:40吊り橋(一の滝、二の滝直下)8:46→
(先行2人パーティーの間違った踏跡、赤テープを辿った為、1時間程余計に時間が掛かった)
10:53仙人嵓テラス10:58→ザンキ平の肩11:30→13:05河原(河原小屋跡手前)
一般登山道に向かってエスケープ開始13:20→ナメリ坂登山道13:50→
カナビキ尾根分岐14:20→弥山川分岐15:50→熊渡16:15(橋の上には救助隊消防車多数)
<感想>
双門の滝コースは、今回で4回目である。
1回目:1975年夏単独1泊2日 河合~熊渡~双門の滝~狼平~弥山(テント泊)~八経ケ岳~栃尾辻~河合
2回目:1993年秋6人パーティー コースは狼平泊で(八経ケ岳へは八剣谷から詰めた)
3回目:2014/10/18夫婦登山 コースは八経ケ岳へは弥山経由である。
3回とも河合を起点とした熊渡~双門の滝、八経ケ岳を登ってから栃尾辻から河合に戻るコースで普通の縦走登山装備での登山であった。
今回は初めて熊渡を起点として八経ヶ岳を登らずにカナビキ尾根を利用しての日帰り登山を計画した。
2018年の台風20、21号の影響で山が荒れ、復旧作業が進んでいないかもしれないとも考え、今回初めてヘルメット着用、補助ザイル持参で臨んだ。

熊渡を5時半に出発し30分ほど林道を歩くとカナビキ尾根と弥山川の分岐に出る。左の弥山川ルートに入る。暫く行くと白川八丁と言われる白岩、白石の河原に出て、その先に釜滝がある。
釜滝の左側から入り、堰堤の高巻きが滑って怖かった。それから2,3か所の鉄橋を超えた。その中で急斜面の網底鉄橋は滑って怖い。網に手を掛けて滑らないように足を突っ張りながら登る。初めから?こんなに!!傾斜があったのか?梯子の方が登り易い!!と思ったほどである。暫く行くと梯子→ロープ→木橋と続くコースの筈が初めの梯子が流され木橋は使われなくなっていた‼
2018年台風20、21号が連続して近畿を襲来し、鉄梯子の位置がずれて使えなくなったようだ。
高巻きが終わり弥山川に出ると左岸の岩壁に鉄筋を打ち込んだ所に出る。ここで私達を追い越して行った50歳ぐらいのベテランと若者の二人パーティーに出会う。そのベテラン登山者に『ここまで良く滑る所があって怖かったですね‼』と話しかけると、「連れの人は奥さんですか?」と尋ねられた。『そうです』と答えると「こんな所迄ついて来られるなんて!凄い奥さんですね」と答えられた。
これから、この2人パーティーとは3回出会う。1回目は道に迷われ他のパーティーも巻き込んでしまったと、追い付いて来られた。「また、会いましたね」と挨拶。2回目は吊り橋を超え、彼等の踏跡、赤テープを辿っている時に引き返して来られ、「ルート間違いだ」と戻って来られた。登って来た元の位置に戻り(この下りの際にザイルを使った。これ以外では使っていない。)、正規ルートへ。岩尾根を左に大きく回り込んだ所に鉄梯子が続いていた。3回目は鉄梯子を過ぎ、踏跡が2つに分かれている所で、彼等が待っていて、こちらが正しいと案内してくれた。先に自分達の踏跡でルートを間違わせてしまったという思いから出た行動なのでしょう。親切な人である。新旧入り乱れた踏跡、赤テープが旧ルート、ピンクが新規ルートのようだ。ベテラン程、旧ルートに入り込むのかもしれない。
幾つもの鉄梯子、鉄橋、鎖場を超えると眺望の良い場所に出ると、ヘリコプターが釜滝から一の滝の間付近でホバリングしていた。遭難者がでたようである。午前10時過ぎから午後3時過ぎまでヘリコプターの音が鳴り響いていた。そこから暫く行くと仙人嵓のテラスに到着した。そこで双門の滝を背景に記念写真。
そのテラスから更に登ってザンキ平の肩へ。そこから長い鉄橋を経て弥山川に下る。弥山川の清流に疲れた身体を癒した後、再び弥山川を離れ、三鈷滝の高巻き。下ったと思ったら、また登りである。途中、谷を超える所で。対岸に鉄橋があるのに危なくて行けそうにないルートがあって、他にルートがないか探して、結局そのルートを通過したが、実際にそのルートをよく見ながら辿ると遠くからは見えなかったルートが見えて通過した。再び弥山川に戻り、河原に出る。時間は午後1時過ぎ。コースタイム通り、行ければ熊渡に何とか明るい内に辿り着けそうだが、ルートが荒れていれば、その保証はない。この先は、既に3回行っているので無理をして行く必要もないので、ここからエスケープ。対岸に赤と黄色のテープが木に巻き付けれれている。これがエスケープルート出発点の印だろうか?地図で見るとナベの耳の下辺り。ここから沢沿い(右)に登り、支谷に入り、その谷を暫く登る。途中、テープが無くなるが、真西に向かえば縦走路に出る筈である。適当な所で右の尾根に上がり西に登り詰めれていれば、ナメリ坂の一般登山道に辿り付いた。そこで山上ケ岳から八経ケ岳、明星ケ岳を経て来られた一人登山者に出会う。八経ケ岳は登山者で溢れ、360度の展望だったと聞く。
そこから一気に熊渡に向かった。カナビキ尾根は登山路がはっきりしない所があり、地図で確認し、かすかな踏跡を見極めてながらルートを間違えないように下った。暗ければ道に迷いそうな所である。
熊渡に16時過ぎに戻って来ると熊渡の橋は消防隊員と警察の方が消防車数台の間におられれた。話を聞くと1人では無く、複数名の遭難者を救出中と聞く。それ以上の事を聞くと話してくれなかった。
登山中に撮影した写真をフォトムービーとしてYouTubeに限定公開でアップロードしましたので視聴して下さい。
https://youtu.be/m49I6V87rnk

<今回の登山で思う事>
登る毎に新旧の登山道が入り乱れルートが変わっている。自然災害の度に幾度もルート工作が成された証である。登山コースは、登山道を整備、ルート工作してくれている人達がいる事によって、より安全に素早く登山できている。それらの人々に感謝である。しかし今般、地球温暖化の影響で豪雨や台風が激烈化しつつある。特に今年は新型コロナで必要なルート工作が進んでいないのではないか?登山マップに載せられている中では近畿最大の難所と言われるルートが今後、安全に登れる登山道としての整備が追い付いて行けるのだろうか?安易に入るルートではない。一般登山道を常にコースタイム以内で歩ける走力がある。12時間以上登山道を歩ける持久力がある。ルートファイティング能力がある。緊急時の装備を持つ (ヘルメット、ザイル、ツエルト、ヘッドランプ等)以上の能力、装備を備えているパーティーでないと入っては非常に危険なコースになって行くのではないか?
熊渡を起点とした日帰り登山を計画する場合、日が長い5月末~8月にすべき。走力があり難所経験があればルートさえ間違わなければ、9月でも早朝発で明るい内に行動できる。