前穂高岳北尾根登攀 その3

2019-08-12
テントを撤収し、AM3:30北尾根へ向けて出発。一部雪渓があるがアイゼンなしでも大丈夫。先行するパーティのヘッデンの灯りがチラチラと見えます。3峰で渋滞することになるのでしょうか。徐々に明けていく景色を楽しみたいところですが、先を急ぎます。
5・6のコルでちょうど日の出を拝むことができ、遠く富士山まで見渡せました。
5峰からいよいよ本格的に岩稜帯になり、浮き石が多いので落石しないように注意を払って歩きます。
5峰の頂上は開けているのでここで朝食をとりました。
続いて4峰。奥又白側にトラバースして頂上まで上がると行く手に核心の3峰が見えてきました。
3・4のコルに到着した時点で前々パーティの登攀中で、ここで1時間程順番待ち。
前穂北尾根でロープを出すのは3峰の4ピッチのみ。今回のメンバー中、北尾根の経験があり、リードで登れそうなのがスマイルさんのみなので、スマイルさんにトップで登っていただきました。
1ピッチ目は奥又白側へトラバースしてから稜線へ戻ります。最初のロープで残りのメンバーが登り、
もう一本のロープをバックロープにして持って上がり、それを使って先にスマイルさんが進むという方法を取りました。
2ピッチ目、大チムニーは避け、右側のガリを登りました。
3ピッチ目はコーナー上の小フェイスから。
4ピッチ目終盤かぶった岩を直上すれば3峰の頂上です。
2峰の頂上からは残置の支点を利用し、懸垂下降で降りました。
そして前穂の頂上へ!メンバー皆が協力しあって達成できたのだと、
充実感いっぱいでお互いを称え合いました。
この後吊り尾根経由で奥穂高岳、穂高岳山荘まで行く計画でしたが、それまで快晴だったのに急に怪しい雲がどんどんわいてきたので、時間が午後になったこともあり、落雷の危険性を避けて岳沢に下りることにしました。岳沢までの重太郎新道は激下りで暑さもあり、皆中々苦しみました。
岳沢でテン泊し、翌日は上高地まで戻るだけなのでゆったりとした朝を迎え、
平湯温泉で3日間の汗を流して、1日早く帰阪しました。
前穂北尾根は初級というだけあって、登り自体は難しいところはありませんが、ルートを読むのが難しいと思いました。今回スマイルさんのルートファインディングを見せていただき、勉強になりました。次前穂北尾根に行く時はぜひトップで登れるように精進したいと思います。
長文失礼しました。




振り返ると美しいモルゲン

2峰頂上からの懸垂下降

重太郎新道の激下り