池郷川本谷

2015-09-25
池郷本谷 平成27年9月20日夜発前泊)21日沢泊・22日

メンバー:スマイルさん(リーダー)トリピーさん、はむくん、一般のOさん、K会のYさん、Sさんの6名

参考時間:1日目 池郷林道ゲート(7:35スタート)→横手小屋谷出合(8:50)→正法寺谷出合(10:30)→カスケ谷出合2段の滝(12:50・・・13:35)→ヒコヤ谷出合(14:20)→小池の宿付近テン場(15:15)

2日目 出発(7:45)→コル(8:25)→石楠花岳(10:15)→天狗山(11:10)→奥守岳(11:45)→嫁越峠(12:00)→地蔵岳(12:35)→般若岳(13:00)→乾光門(13:45)→涅槃岳(14:10)→証誠無漏岳(14:50)→阿須迦利岳(15:20)→持経ノ宿(15:45)→池郷林道ゲート車(17:05)

素晴らしい山行でした。
まず林道から横手小屋谷までの道が結構しんどくて宿泊道具を背負った体にこたえました。いや宿泊道具というよりは前日宴会のお酒の飲み過ぎでしょうか(笑)Yさんが用意してくださった料理が野菜の揚げびたしなどおつまみの範囲を超えてもう晩餐で本当に美味しかったです。
池郷本谷のゴルジュを越えてからの入谷のため、遡行に困難な地点はなく快適でナメと小滝をたのしみました。


唯一カスケ谷出合の下段12m・上段6mの滝に時間がかかりました。『関西起点沢登りルート100』(吉岡章著 山と渓谷社)によると「カスケ谷出合の堂々とした12m滝は右手のクラックを直上。続く6m滝はそのまま左岸を伝い、立木を支点に懸垂で下り立つ。」とあります。これだと下の滝を登ったあと上の滝を左岸から巻けるように読み取れますが、下の滝を登ってしまうと逃げ場はなく上の滝も登る以外進むことができません。巻くなら下の滝から巻きましょう。ご注意ください。下の滝を登ってしまった私たちは、上の滝を登るため、左岸からトップの人が滝の裏側を通って右岸に回りこみ、ロープをつかって釜を頑張って横断しました。
頑張るトリピーさん
そして滝の左側に取り付いて無事登ることができました。行く前に「ハーネスいらんのちゃう」との言葉が出るほどで初級の沢と油断していました。こんな滝を登ることになるとは。しかし厳しかったですけどいい経験になりました。
小池の宿跡は明確にここだ、とはわからなかったですが、そこら付近に良いテン場を見つけ1日目の遡行は終了です。

2日目は天狗山へのガレの直登を避け、すぐに本谷から離れて石楠花岳から黒谷峠へ続く稜線のコルへ進みました。この稜線は歩きやすくて、シャクナゲが多く花期はさぞ見事でしょう。途中、前鬼の方へ下る道(標識・テープ)もあり次にはこの道も通ってみたいです。車2台で前鬼側にも止めておけば池郷川を遡行してからの下山でかなり時間が短縮できるのではないかと思います。
石楠花岳からは大峰奥駈道です。中高年二人組を追い越した以外は人にも出会わず静かな中でとてもよい雰囲気の道を歩くことが出来ました。沢登りの帰りは「下り」のはずが奥駈道はなんとか岳をのぼって降りてまたなんとか岳とアップダウンの繰り返しです。しんどかったです、体力の限界。
天狗山への登り
そんな中で歴史に詳しいYさんに「嫁越峠は昔全域女人禁制だった大峰でここだけ東西の横断を認め、嫁入りの際の大八車をひいて通った」と由来を教えていただいたり、小池の宿に西行が修行にきて歌を詠んだ話を伺ったりと大峰の歴史に触れることができ、体の疲労を忘れることができました。
持経ノ宿は建てなおされたのか修理なのかはわかりませんが中はまだ木の香りがするとてもきれいなところでした。そこから池郷林道にでてなんとか暗くなる前に車にたどり着きました。
それにしても贅沢な山行でした。ナメあり滝あり渡渉あり。釜には魚影も走っており、そうそうポン酢を忘れた水炊きあり(これからはポン酢も個人装備!?)奥駈道の上り下りと、本当に深山幽谷の山歩きを堪能しました。しかし何よりも楽しかったのは焚き火を囲んでのみなさんとの歓談です。素敵なみなさんとご一緒できたことが最大の喜びでした。みなさんありがとうございました。