春山合宿(白馬杓子ケ岳・双子尾根) 後編

2017-05-07
■日時:5/3(水)~5/5(金)
早朝なので雪はしまって・・・ません。気温が高く、少しグズグズして歩きにくかったです。トレースはあるのですがズボズボと踏み抜くことも。樺平で休憩したあといよいよ急登のはじまりです。一歩一歩慎重に。途中岩峰があり、先行者が苦戦しているのが下から見え心配になります。岩稜を回り込みフィックスロープに頼ることなく無事超えることが出来ました。少し緊張しましたが沢登りの経験が生きています。ただアイゼンを付けているのでつまずかないように気を使いました。そしてジャンクションピークに到達。とっても気持ちのいいところです。
ここからが核心です。両サイドのすっぱりと切れ落ちた雪稜、気を抜けません。露岩を白馬大雪渓側から巻き登っていくところでザイルを出してもらいました。

雄大な風景の中でのザイルワーク、マングースさんが向こうの見えない斜面を登っているところ

そこを確実に登り切り、続けて小さな岩を乗り越えるところが高度感たっぷりで一番緊張しました。

かっこいい!!

「頂上直下に最後の難所」と聞いていたので気を引き締めて進んで行きましたが、小さな雪壁を乗り越えただけであっけなくピークに着きました。やったー。
しかし気は抜けません。「下山こそ今回の核心」と覚悟してきています。しかし「やっぱり来た尾根を降りるのは怖い」「雪が腐ってきて下りは危険」「大雪渓は雪崩の事故もあったけど、まだ9時なので危険性は低いか」ということで、双子尾根をピストンするのではなく大雪渓を降りて、尾根を回り込んでテント場まで登り返すコースを採ることにしました。
雪崩に気をつけて、慎重に、素早く一気に降りていきます。下りは快適ですが、暑い。雪の反射でまるでフライパンの上を歩いているかのようで汗だくです。

1700m付近から尾根をトラバースで乗り越えられそうだったのですが「よし地図にある白馬尻小屋で冷たいジュースを飲もう」と1550m付近まで降りました。ところが小屋らしき建物はありません。「おかしいなあ」と、その辺にテントを張っている人に尋ねると、「このあたりだけど、小屋は冬には解体してないよ」とのこと。「ガーン、ジュースが、、、」
ここから1802m横のコルをめがけて登り返しました。すぐそこに見えているのにきついきつい。ジュースさえ飲めていればがんばれたのに、あーしんど。次の長走沢のトラバースも大変でした。なるべく高度を下げないよう踏ん張って、なんとかかんとか小日向のコルにたどり着きました。いえーい。
明日は1時間の下りだけですし、慌てることもありません。ゆっくり休憩して、またテーブルとベンチを作り直し、のんびりと夕食&宴会を楽しみました。
最終日もおだやかな天気で、朝食を外のテーブルでいただきました。まるで夏山みたい。

いちばんやさしいグレードとはいえ冬のバリエーションルートを登った充実感で一杯です。
天候に恵まれ、皆が無事で何よりです。みなさんありがとうございました。