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 『妻はサバイバー』永田豊隆 著

2022-04-21
知り合いの記者さんが本を書かれた。

20数年連れ添っている、妻の摂食障害、アルコール依存から繰り返される自殺未遂のことについて赤裸々に描いてられる。

妻自身が本を書くことに背中を押したらしい。

彼が取材に来てくださったのは、10年程前に私が自殺予防のボランティア電話相談団体の所長をしているときに、自殺対策に関しての取材ためだった。

もちろんその時は彼の個人的な話をきくこともなく、取材対象としてのつきあいだったので、この本の内容が進行しつつあることなど知る由もなかった。

電話相談を受けていると摂食障害、依存症で苦しみ「死にたい」と言われる言葉はよくきくが、それはほんの一部分のほんの一瞬の思いだけだ、とつくづく思い知らされた。

たとえその時に彼の状況をきいても何ができるわけでもないことはよくよくわかっているが、自分の無力さに虚しさを感じずにはいられない。

そうは言っても私のできることは『話を聴くこと』それだけしかできない。自分のできることを精いっぱいするしかない。