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横浜市鶴見区社会福祉協議会の
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 良いニュース15

2023-12-13

皆様、良いニュースです。そして悪いニュースです。
今回は中今について話してみたいと思います。中今とは何か知らない人も多いかと思いますが、これは神道と関係があります。そして武士道とも関わります。
神道には、教祖がいない、経典がない、救いもない、という変な教えなのですが、人ではなく自然神なので教祖はいない、文字にすると時代を経ると意味が変わるので文字にせず、儀式から意味をくみ取るようにした、もともと自然に沿って生きれば良いので救いは必要ない、というような事のようです。そんな神道ですが、何故か日本人にとってはとても居心地が良いので毎年初詣に神社やお寺に参詣します。とっても不思議なのですが、ご利益とか余り考えずに今年が良い年でありますようにと祈るのです。しかも祈る相手は自然神ですから、自然のままに任されているようです。
そんなおもしろい神道の教えに中今という考えがあって、これは過去ではなく、未来でもない今の一瞬について全力集中で生きろということのようです。
武士道では「死ぬ事と見つけたり」という一節が「葉隠」にありますが、間違って理解している人が多いのではないでしょうか?これは、生き残る必要があればどんな事をしてでも生き続け、死ぬ必要があればすぐに死ねるように恐れずに立ち向かう、という意味です。ですから、生きるにしても死ぬにしても武士として辱めを受けないようにする心構えを示しているのです。ここでも、今を懸命に生きて、他人からさげすまれないようにすることを言っているのです。
神道と武士道には通じるものがありますね。もともと日本人が宗教心はあって自然神を信仰していたと思います。その後に各地から色々な民族が入ってきて宗教も、仏教や儒教やキリスト教が入ってきたのです。日本人の支配者層だった天皇や武士が、良いところだけを受け入れて独自の宗教観にしたのでしょう。
それでも日本人が受け入れられたのは、その教えにもっともな事が多かったからだと思います。神道も、わざと経典をなくして口伝で教えを伝えたのではないでしょうか?古神道の後継者がどこかに居て、口伝の内容を知っているかもしれませんが、決して文字にしてはいけないと口伝されたのかもしれません。
武士道は新渡戸稲造の「BUSHIDO」が有名です。これは英文で書かれており、日本人の考えは武士道によって制御されていることを、アメリカ人に示したものです。キリスト教のように経典がないのに、どうして道徳心を持てるのか、アメリカ人には不思議だったわけです。
「BUSHIDO」には、日本人の義、勇、仁、忠義、名誉、誠、礼について説明しています。こうした説明ができたのは、新渡戸にもともと武士道の教養があったからで、アメリカ人にも理解しやすい言葉で、何とか日本人の魂を知ってもらいたかったからだと思います。
これは、日本人にとって、男性も女性も知っておくべき事柄です。次回に詳しく話します。