2016年冬合宿 蝶ヶ岳(後編)

2017-01-04
3日目(1月1日) 蝶ヶ岳(8:00)—長塀山(8:55)−徳沢(11:35着・・・12:00発)—小梨平テン場(13:55)
4日目(1月2日) 小梨平(8:30)—中の湯(10:30)−坂巻温泉(10:50)

 12月31日の夜はほとんど風がなかったのですが新年になって3時ごろからビュービュー吹き始めました。うちのテントはスマイルさんの風を読む力のおかげで平気でしたが、風の通り道を考えずに張った人たちはけっこう大変だったみたいです。
 さて初日の出は・・・雲で見えませんでした。うーん残念。朝日に照らされる穂高連峰もちょっと無理です。しかししばらくすると見事な常念岳が見えてきて、穂高も上に雲がかかりながら幻想的な姿を現してくれました。もうお腹いっぱいの大満足です。テントの撤収や出発して暫くの間は少し風が吹いていたのですが、スマイルさんによると、こんなのは風のうちに入らないそうです。
 下りは膝に不安のある私が前を歩かせてもらいゆっくりと自分のペースで歩くことが出来ました。3時間半ほどで怪我なく徳沢に到着。ホッとしました、ありがとうございました。
 気が緩んだのか、山頂であまり寝られなかった疲れのせいかここからの2時間の歩道がしんどかったです。小梨平についた時にはヘロヘロで気持ち悪くなったほどです。
 4日目もいい天気。
 まずこれまで絶景を楽しみ、お腹いっぱいだったのですが、この日の山の表情もまた良くて、写真を取るための小休止の連続です。河童橋も我々の他だれもいません、独り占めです。大正池に映る逆さ穂高の見事なこと。なごり惜しい、見飽きない風景でした。あとは帰るだけですが旅はそんなときほど色々あります。
 釜トンネルを歩き終え、坂巻温泉で汗を流すことにしました。約20分の車道歩き、この車道歩きが今回の山行で一番怖くて緊張しました(笑)トンネルもあるのですが、車の音がグワングワン反響し、ちょっと凍っているところもあったりしてイヤでした。坂巻温泉は幹線道路沿いなのですがトンネルとトンネルの少しの間の曲がり角にあり車だと見逃すのではないでしょうか「秘湯」のお湯で疲れが吹っ飛びました。露天風呂も良かったです。
 松本行きのバスでは爆睡だったのですが、バスターミナルが近づくと大渋滞、30分ほどの延着です。まあのんびり帰るだけなので思っていた特急に間に合わなくても落ち着いてみどりの窓口に切符を買いに行きました。すると臨時特急があと7,8分で来るらしい。「よしこれに乗ろう」と大急ぎで切符を買い、指定席までうまくゲット。時間がなかったのですぐホームに行きました。そこで「この臨時特急には車内販売のサービスはございません」のアナウンス。
スマイルさん(以下S)「しゃーないなあ、行動食でもたべるか」
はむくん(以下H)「何ゆうてるんですか、ホームの売店行きましょう」
「間もなく列車が到着します」のアナウンス
S「間に合えへんで」
H「はよ、はよ、ザック背負って、買ってすぐ飛び込みましょう」
ビールと弁当のために、はむくんのものすごいリーダーシップ。へろへろの体のどこにこんな力が残っていたのかという売店までの猛ダッシュです。おかげでなんとか間に合いました。
 
 冬合宿の反省としては、ひとつはアイゼンワークです。下山途中に右足のアイゼンを左足のアイゼンバンドに見事に引っ掛け、絵に描いたように転倒しました。なんともないところだったので良かったですが、もし危険なところだったらそれでサヨナラです。アイゼンを意識する集中力を持続するには下りでもへばらない体力、筋力が大切です。両方共なくなる一方の年齢なので日頃からできる範囲でのトレーニングが欠かせません。
 もう一つはテントでの疲労回復です。蝶ヶ岳山頂、上高地小梨平ともにテントであまり寝られなかったです。寒くて寝られない、というわけでもなかったのですが、なぜかほとんど寝られなかったです。自分では「体が寒さ慣れしていないのかなあ」という感じでした。
 雪山では普通では見ることが出来ない風景を見ることが出来ました。ではクライミングの達成感と言うほどのレベルではない私は、風景を見るために行ったのでしょうか。写真を撮るために行ったのでしょうか。家に帰って、これまでの生活に戻るときの新鮮な感じ、普通の暮らしのなんとありがたいことか。この普通のありがたさを再認識するために過酷な世界に行ってきたのではないでしょうか。
 2017年も家庭、仕事、山のバランスをうまくとって安全に楽しんでいきたいです。スマイルさん、ありがとうございました。
蝶ヶ岳山頂のテント
かっこいい常念岳
大正池に映る逆さ穂高