詩篇105
2025-04-22

美しい詩を読むと心が豊かになります。本当はメロディーがあったはずです。
「主に感謝し、そのみ名を呼び、そのみわざをもろもろの民のなかに知らせよ。」(1節)
詩篇作者はヤハウェ神の御名を呼び、その御業を諸国民に知らせるように言います。
「そのしもべアブラハムの子孫よ、その選ばれた者であるヤコブの子らよ、主のなされたくすしきみわざと、その奇跡と、そのみ口のさばきとを心にとめよ。」(5,6節)
アブラハム、イサク、ヤコブと続くイスラエルの民に神の奇跡の業を覚えるよう言います。
「主はこれを堅く立てて、ヤコブのために定めとし、イスラエルのために、とこしえの契約として言われた、『わたしはあなたにカナンの地を与えて、あなたがたの受ける嗣業の分け前とする』と。」(10,11節)
神とイスラエルの民との契約として、カナンの地、つまり中東地域を与えるとあるのです。
これによってイスラエルは現在流浪の民から1948年に国家を樹立しました。そこに住んでいたパレスチナ人にとっては迷惑な話でした。これも英国を始めとする諸国家の外交力によって決定されたようです。それが、今日まで中東問題として引きずっていて、現在はイスラエルとハマスとの戦闘になっています。つまりイスラエル国家はユダヤ教を信じており、パレスチナの国家はイスラム教を信じています。ユダヤ教からキリスト教が分かれ、さらにイスラム教が分かれたのですから、元の教えは同じはずです。それでも宗教戦争になるとお互いを殺し合っているのです。
日本人は宗教戦争のようなものを外国と行ったことはありません。島国であったこともありますが、日本人でまとまることを優先したからでしょう。
「このとき彼らの数は少なくて、数えるに足らず、その所で旅びととなり、この国からかの国へ行き、この国から他の民へ行った。」(12,13節)
出エジプトの奇跡をここから思い返すように言います。
「主はもろもろの国びとの地を彼らに与えられたので、彼らはもろもろの民の勤労の実を自分のものとした。」(44節)
カナン地方には諸国民が住んでいましたが、神はイスラエルの民にその地を与えられました。当然戦闘によってその地の産物を自分達のものにしました。歴史を調べると、確かにカナンの地を強奪したように見えますが、もともとはアブラハムが住んでいた土地でした。ですから出エジプトによりイスラエルの民は故国に戻ったということです。現在のイスラエル国は国際連合にも加盟しており国家として承認されているわけですが、パレスチナ人と周辺諸国はイスラエルを国家として認めず、イスラエルを滅ぼすために戦闘をしかけているのです。2000年以上前の事柄ですが、宗教戦争の根は深いのです。
「これは彼らが主の定めを守り、そのおきてを行うためである。主をほめたたえよ。」(45節)不安定な中東の地域ですが、イスラエルの民が神の掟を守ることで領土を得られたことを忘れてはいけないでしょう。