合同自主防災訓練 2025年度【小園自治会】

2025-11-02
『防災とは命を守り、生き続けることです』
 発災時、行政や消防が来るまでの数日間を地域の被災者で安否確認をし避難所を開設・運営して助け合えるようにするための防災訓練が実施されました。今年度の合同自主防災訓練は、第一部安否確認訓練と第二部早園小避難所開設訓練の2部構成でした。

【2025年11月2日  日曜日】

第一部 安否確認(全世帯対象)
8:00 綾瀬市防災無線にて小園防災訓練開始 (地震発生)
地震発生と同時にシェイクアウト訓練、まず低く 頭を守り 動かない3つの安全行動を行いました。
    
各家庭では、『我が家は無事』を黄色いハンカチを掲揚して知らせます。

組長はハンカチ掲揚の確認と掲揚していなかった家の無事かどうかも確認の上、区長へ報告。区長は全体の状況を対策本部へ報告。


【黄色いハンカチ掲揚の報告結果】
⚪︎黄色いハンカチを掲げた家: 全体の70%(昨年66%)
⚪︎掲げなかった家への安否確認実施
  無事を確認できた: 19%
  確認出来なかった: 11%

第二部 避難所開設訓練
(参加者106名、避難所運営委員・消防本部関係者・訓練対象者の組長)

10:10 開会式
守矢会長の言葉:
今年の黄色いハンカチは70%で昨年の66%に比べて4%向上しましたが、一昨年の71%より低い。来年も色々改善してもうひと踏ん張りしましょう。
10:30より早園小避難所運営委員会主催の避難所開設訓練を行います。
早園小避難所運営委員会は自治会役員、防犯防災部、防災審議会、市役所の地区対策本部、学校関係者で構成され、併せて本日は応急手当の訓練のため消防本部の方々も参加され指導いただきます。

今回は自治会が昨年作成した大災害時の行動基準「防災計画」に基づいた第1回目の防災訓練(避難所開設)です。

南海トラフ震度予想は今年7月に震度5強から震度6弱に変わり、綾瀬市は指定地区になりました。震度6と7、1上がると被害は全然違ってきます。関東大震災は震度7でした。

いま、綾瀬市で震度7の地震発生による被害予想は、全壊および半壊がそれぞれ5,000棟で合わせて1万棟の家屋。出火がおきればさらに1,000件と凄い被害です。避難者は28,000人、綾瀬市の30%にあたります。従って想定した避難所を準備しなければなりません。

今後作成した時間軸を使って発災時、近所で組長から区長に報告し災害本部立ち上げ、避難して来た人達で力を合わせて避難所を開設し運営する。
行動基準の抜粋は小園自治会HPをご覧ください、各家庭にも配付します。
『黄色いハンカチをめちゃくちゃで大変な中であげてられない』と言う方もいらっしゃるのですが、訓練をして癖をつけなければ本番で行動できません。大リーグの大谷翔平も訓練なくして実際に活躍はできません。役立つよう、避難訓練を行います。
市の広報にもありますが、地震に耐えられる家に住んで避難しなくて済むのが一番です。
昭和56年6月、耐震基準6強に変わり綾瀬市の90%が基準を満たしています。耐震補強工事の補助金150万円を利用するなど自宅の耐震補強もご検討ください。

対策本部長 疋田様
本日の訓練を共助というところで通じてコミュニケーションをとって地域に交流を深めていただければと思います。せっかくの機会ですので、自宅に帰ってから食料・水の備蓄、家具転倒防止対策に意識して震災に対する対策についても確認していただけたらと思います。
皆様の防災意識と行動が地域の防災力向上に繋がります。

避難所開設訓練の内容
参加した組長を4班に分け、訓練毎にローテンションを組み実施しました。
①防災倉庫前
 ファーストミッションボックスの説明
②体育館隣(外)
 マンホールトイレの設営、ポンプの確認
③体育館内
 テント、ベッドの組み立て
④体育館内
 応急手当て訓練(心肺蘇生法、三角巾で骨折とうの応急手当て)

綾瀬市役所 危機管理課 大野様
地区避難訓練への地域の沢山の方のご参加ありがとうございました。綾瀬市は南海トラフ指定推進地域です。風水害はある程度予測はできますが地震発生は予測できません。ご自身の命を守るには自助共助がとても大切です。耐震、家具の固定等、皆様にも防災の取り組みを進めていただいて綾瀬市も啓発していきますので一緒に取り組みを進めて頂きたいと思います。

小園自治会防災審議会長 斉藤様
 (小園地区に関係する大地震の想定被害と避難所レイアウトと人や車の動線 図(案)を配付)
早園小学校は子どもたちが勉強する場であり、避難する生活の場所や設備・構造にはなっていません。また、避難と学業を両立する上では、避難所スペースを最小限にし、教育のためのスペース確保が必要なります。

想定地震としては
①都心南部直下地震 綾瀬市震度6弱
②南海トラフ地震  綾瀬市震度6弱
③大正型関東地震  綾瀬市震度7
震度7の地震発生を想定した際の避難所に来る避難者数1274名+避難所外の避難者数850名、合わせて2000名を超えます。
しかし、訓練で組み立てた感染防止・プライバシー確保のテントを設置し、通路を確保すると避難所収容能力は378名となりました。
避難者の収容能力が全く足りない状況です。
収容能力を増やすために
  ①感染防止・プライシー確保テントの数を増やすレイアウト見直し
  ②グラウンドを使用する車両避難場を確保する(ペット同伴者にも活用ができるか検討)
  ③外部に避難所資機材の保管場確保やテントを利用してのスペースを増やす。
  ④その他 福祉避難所や他の避難施設を利用する等
『避難所レイアウトと動線』については、防災審議会より、来年1月の自治会長の方に答申致します。その後、関係機関で審議がなされると思われます。
来年の訓練には、一泊二日の避難所訓練など行い、マンホールトイレを実際に使うことや暗いところでの体験などできたらと思います。
是非、災害を正しく理解し、避難所を知り、一人一人が災害に対する準備と行動ができるようにお願い致します。

ー参加者の声ー

<避難所開設・FMB説明>
防災倉庫の鍵の開け方と、ファーストミッションBOXの使用方法、また倉庫内の備品の説明がありました。その後避難所となる体育館の開錠方法を教わりました。避難所は基本体育館のみで、校舎は机や椅子の撤去が困難なのと、子ども達の学びの場となるので、避難所としては使えないとの事でした。

<トイレ設営・ポンプ確認>
⚪︎仮設トイレの設置は、初めてだと苦戦して時間がかかりましたが、組み立てには六角レンチなどの工具も必要なく、また屋根は雨が降っても後ろに流れる様にあえて傾斜をつけた設計になっていました。鍵もついており機能性も高かったです。ですが地震等で下水が機能していないと、水を流せず使用できないとの事でした。

⚪︎災害対策用トイレの設置、解体は参加者の皆さんが協力し合いとてもスムーズに行われました。
また、その後の質疑応答が活発になされていることから、皆さんの防災に対する意識がとても高いことが伺えました。

<応急手当>
⚪︎身近な三角巾を使用して骨折の応急処置の方法を消防の方の指導のもと、二人一組で実践しました。

⚪︎心肺蘇生法については、あっぱくん(トレーニングキット)を使って、必死におこなっていました。      
「ペース配分が難しい」
「力の入れ加減が難しい」
「持久力が必要」
等、やってみなければわからなかったとの意見が大半でした。

こういう訓練の場を通じて意識の向上が広がることの大切さをしみじみ感じた一瞬でした。

『自主防災組織とは』
自主防災組織は災害対策基本法で規定されています。 

法律では…住民の隣保協同の精神に基づく
     自発的な防災組織
現状では…自発的な防災組織ではなく
     自治会がほぼそのまま自主防災組織
     になっているケースが多数

災害時、行政や消防機関等がすぐに現場に到着することは困難です。被災した現場の近くにいる人たちにできる範囲の対応をお願いせざるを得ないので、自主防災組織が機能するかが重要です。
平時に『もしも』で考えておく事で『まさか』を減らして地域の防災力を高めましょう。

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