ケアプラン5

2025-07-18

第1表には本人・家族の意向を踏まえて課題分析の結果を示すように変更されました。それで、本人、家族等の意向を踏まえて、ケアマネジャーが考える課題分析の結果を示すことになります。ここは、ケアマネジャー自身が自分で考えてまとめる必要があります。つまり、さらに要約できる能力が問われるのです。
先の例で考えると、本人の意向、家族(妻)の意向は確かめていると思いますが、子供たちの意向までは聞き出せていないかもしれません。家族関係が複雑だったり疎遠だったりすると難しいかもしれませんが、本人か妻の許可があれば子供たちにも連絡しておく必要があるでしょう。電話でケアマネジャーとして担当することになった挨拶で良いと思いますが、できれば、何かお尋ねの件がありますか?と聞いてみましょう。ほとんどの子供は介護を初めて経験することになるので戸惑っている場合が多いでしょう。ですから電話とかメールとかでも担当することになったので、分からないことは無いかだけでも聞きましょう。その後の援助計画にも関係してくるからです。例えば、本人は家族の援助を希望していないが、子供たちは将来を見据えて援助について考えていたりするのです。
第1表は、文字数が少ないことが困難さを助長させます。なにしろ「生活に対する意向」ですから、生活全般を数少ない文字でまとめるのはとても難しいのです。
第1表には総合的な援助の方針を記入する欄があります。これは、介護サービスが多職種で連携するチームケアであることから導入されています。ケアマネジャーはチームのまとめ役として、このような方針で介護を進めたいと考えているという決意表明です。
色々な書き方があると思いますが、簡潔にまとめる必要があります。しかもチームの担当者が納得できる内容にする必要があります。そしてその内容が、本人にとっても家族等にとっても明確な方針になっている必要があるのです。
さて、皆様は先の利用者に対してどんな総合的な援助方針を書くでしょうか?
AIの出したものが、以下のとおりです。
• 本人の「自宅で暮らしたい」という意志を尊重しつつ、妻への負担を最小限に抑える介護サービスを適切に配置
• 心身機能維持と生活意欲向上を目指し、デイやリハビリを活用
• 抑うつ傾向や孤立感に対して、ケアマネ・支援者が継続的に関わり、社会的孤立の予防と心理的支援を行う
• 家族への説明・連携を丁寧に行い、本人の安心と家族の協力を引き出す
どうですか?かなり踏み込んだ事柄を生成しました。
デイやリハビリというのはちょっと抽象的で分かりにくいかもしれませんね。抑うつ傾向とか孤立感という言葉も気に障る言葉ではないでしょうか?安心とか協力もあまり具体的ではないように思います。
つまりAIは膨大な記録から、このような人はこのような傾向を持つだろうと予測して言葉にしているに過ぎません。つまり実態については何も理解していないということです。
AIを使うにしても、補助的に使う程度にした方が良いということです。