モニタリング21
2025-11-04

モニタリングは常にアンテナを張っていないと、対象者の変化に氣付くことが難しくなります。要介護状態は介護事故に会っている状態なのです。病気でも慢性疾患があるように要介護状態は継続する可能性が高いのです。
すぐに要介護状態から要支援状態や自立になることはあまりありません。私の経験でも自立になった要介護者は数人しかいません。それでもケアマネジャーは希望をもって対象者に自立を支援していくことが求められています。要支援状態であれば、比較的自立に向かうことは可能性が高いと思います。少しの支援があれば自立できる状態なわけですから、適切な介護で自立を目指せると思います。
しかし、要支援者であっても依存傾向のある利用者もいるでしょう。自立になると介護サービスが受けられなくなると怯えているかもしれません。ヘルパーや通所の人達との交流が絶えてしまうと考えるかもしれないのです。築いた交流が途絶えるのは高齢者にとっては悲しいことです。ただでさえ配偶者を失ったり、友人を亡くしたりしているのです。高齢者にとって孤立はとても大きなストレスになります。そうしたストレスから食欲が落ちて病気が重くなったりするのです。
対象者の状態を観察して、変化がないか確認するのがモニタリングです。これは、電話やメールやFAXやテレビ電話でも確認するのは難しいかもしれません。実際に会って様子を伺わないと正確な確認はできないでしょう。モニタリングは利用票を届けるのが主要な目的ではないはずです。
小さな変化も見逃さないという決意で臨みましょう。でも、堅苦しい雰囲気では良くありません。笑顔で挨拶して、お変わりがないか尋ねましょう。なかなか心を開いてくれない対象者であっても、あきらめずに何度も繰り返すことで、会話の道筋がつくこともあります。
誰でも自分のことを人に知ってもらいたい氣持ちがあります。自慢したいこともあるかもしれません。認知症の人であっても、感情は豊かに持っています。そして褒められると嬉しくなります。ICFの考え方でもその人を知るにはマイナス面に着目せず、プラス面を評価していくことが求められています。特に個人因子としての、対象者の生活歴を知るのは有効です。
嫌な思い出は話さないかもしれませんが、楽しい思い出は何度聞かれても嬉しいことでしょう。楽しいことを思い出すだけではなく、同じような思い出をこれから残しましょうと積極的な提案ができれば良いと思います。
高齢になると過去に出来ていた事が出来なくなることがあります。悲観するのではなく、何かの工夫やサービスの利用で出来るようになるかもしれないのです。そのような提案がモニタリングでできれば、とても素晴らしいモニタリングになるでしょう。支援経過を記入するのも晴れ晴れとした気持ちで出来るのではないでしょうか?