共結晶の各結晶面における溶媒媒介転移

2021-10-26
これまでの研究で、共結晶の結晶粒子表面でフリー体への溶媒媒介転移が起こることで溶出が阻害されることを見出してきました。また、この粒子表面溶媒媒介転移(Particle surface solution-mediated phase transformation (PS-SMPT))は、共結晶子によって大きく異なることが分かりました。

では、同一結晶の結晶面間で、PS-SMPTは異なるのだろうか?

この疑問に答えるため、数ミリメートルサイズの大きなカルバマゼピンーサッカリン共結晶を作成し、各結晶面を観察しました。

Omori, M., & Sugano, K. (2021). Solution-Mediated Phase Transformation on Crystal Facets of Carbamazepine–Saccharin Cocrystals. Crystal Growth & Design.
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.cgd.1c00709

結晶面ごとにPS-SMPTが大きく異なっていました。このことから、共結晶の結晶面が、フリー体の不均一核形成の基質になっていることが、示唆されました。

結晶面における結晶成長の様子をビデオでもご覧いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=cLdkvvJdczs
https://www.youtube.com/watch?v=ea1gWbPfghs
https://www.youtube.com/watch?v=PMFLA-DoLN8
https://www.youtube.com/watch?v=lrfFt_UvFMk

おっきい結晶、とったど~~~!

という感じで、楽しい研究でした。

今回は、共結晶PS-SMPTの第3弾の論文です。第4弾、第5弾も準備中ですので、お楽しみに!