Dipyridamoleの析出プロファイル
2026-10-17
Dipyridamoleは、典型的な難水溶性塩基性薬物であり、これまで様々な経口吸収の研究のモデル薬物として使用されてきました。我々も、dipyridamole (free base)を用いて、臨床投与量/消化管溶液量の比を反映したpHシフト溶出試験を行っておりました。その際、pHシフト直後、溶解濃度が瞬間的にある値まで低下し(Step I)、そこで数分間一定となり、やがて再度低下し始める(Step II)という現象を偶然発見しました。
https://doi.org/10.1248/cpb.c26-00371
Dipyridamoleはrapid crystallizerとして分類されており、これまで多くの検討では、結晶として析出すると暗黙のうちに仮定されておりました。しかし、近年我々は、数秒で液液相分離(LLPS)を観察できる測定方法を開発しており、dipyridamoleのように結晶化が速い薬物においても、LLPS濃度の測定に成功しておりました。このデータから、dipyridamoleのpHシフト溶出試験においては、Step IとしてLLPSが瞬時に発生し、数分後から、Step IIとして結晶化が起きることがわかりました。
また、初期濃度がLLPS濃度を上回る条件でpHシフト析出試験を実施した場合、初期濃度を変化させると、LLPSによって形成されるdrug-rich phaseの量は変化する一方、水相中に溶解している薬物濃度はLLPS濃度に維持されます。そこで、結晶析出開始時間(induction time, t_ind)の初期濃度依存性をLLPS濃度以上において測定したところ、t_indは初期濃度に依存しないことをがわかりました。さらに、LLPS濃度以下における水層中のt_indの濃度依存性データから、LLPS濃度におけるt_indを外挿したところ、実験値とほぼ一致しました。これらの結果から、結晶析出は、drug-rich phaseではなく、水層で起きていることが示唆されました。
https://doi.org/10.1248/cpb.c26-00371
Dipyridamoleはrapid crystallizerとして分類されており、これまで多くの検討では、結晶として析出すると暗黙のうちに仮定されておりました。しかし、近年我々は、数秒で液液相分離(LLPS)を観察できる測定方法を開発しており、dipyridamoleのように結晶化が速い薬物においても、LLPS濃度の測定に成功しておりました。このデータから、dipyridamoleのpHシフト溶出試験においては、Step IとしてLLPSが瞬時に発生し、数分後から、Step IIとして結晶化が起きることがわかりました。
また、初期濃度がLLPS濃度を上回る条件でpHシフト析出試験を実施した場合、初期濃度を変化させると、LLPSによって形成されるdrug-rich phaseの量は変化する一方、水相中に溶解している薬物濃度はLLPS濃度に維持されます。そこで、結晶析出開始時間(induction time, t_ind)の初期濃度依存性をLLPS濃度以上において測定したところ、t_indは初期濃度に依存しないことをがわかりました。さらに、LLPS濃度以下における水層中のt_indの濃度依存性データから、LLPS濃度におけるt_indを外挿したところ、実験値とほぼ一致しました。これらの結果から、結晶析出は、drug-rich phaseではなく、水層で起きていることが示唆されました。