詩篇31
2024-12-04

美しい詩を読むと心が豊かになります。本当はメロディーがあったはずです。
聖歌隊の指揮者への歌のようです。
「あなたの耳をわたしに傾けて、すみやかにわたしをお救いください。わたしのためにのがれの岩となり、わたしを救う堅固な城となってください。」(2節)
詩篇作者は神に救いを求めています。戦闘では岩場が逃れる場所になったりします。堅固な城であれば、敵の攻撃に対処できます。
「わたしのためにひそかに設けた網から/わたしを取り出してください。あなたはわたしの避け所です。」(4節)
敵は密かに罠を仕掛けます。そのような罠から取り出してもらうことを願います。神は避難所でもあるのです。
「わたしは、わが魂をみ手にゆだねます。」(5節)
これはイエス・キリストの人の子として最後の言葉になりました。「そのとき、イエスは声高く叫んで言われた、『父よ、わたしの霊をみ手にゆだねます』。こう言ってついに息を引きとられた。」(ルカ23:46)イエスは詩篇の言葉に精通していたはずです。この31篇5節はすべてを成し遂げたので言ったのだと思います。
「あなたはむなしい偶像に心を寄せる者を憎まれます。しかしわたしは主に信頼し、あなたのいつくしみを喜び楽しみます。」(6,7節)
神が偶像を憎まれることを知っています。神に信頼すれば喜びと楽しみがあるのです。
「高ぶりと侮りとをもって正しい者をみだりにそしる/偽りのくちびるをつぐませてください。」(18節)
現代でもそうですが、インターネットの世界である人の発言を一部だけ切り取って、非難したり批判したりすることがあります。そのせいで発信者が自殺してしまうこともありました。嘘と侮辱的な言葉は止めて欲しいものです。
「すべての聖徒よ、主を愛せよ。主は真実な者を守られるが、おごりふるまう者にはしたたかに報いられる。」(23節)
聖徒というのは、聖なる神を信仰する人々のことでしょう。神様は真実な者に対しては堅固な城のように守られます。しかし、高慢な者、傲慢な者に対しては厳しい報いをするのでしょう。誰でも嘘は嫌います。真実を愛します。嘘つきは嫌われ、正直者は好かれるのです。神は人間の心をよく知っています。なにしろ人間を創ったのが神だからです。人間が気持ちよく暮らせるための方法を教えてくれているのが聖書なのです。特に詩篇は人間の感情を沢山の比喩や象徴で記されています。詩篇作者の結論はこうです。
「すべて主を待ち望む者よ、強くあれ、心を雄々しくせよ。」(24節)
やはり、強い心、雄々しい心、これらも神に頼って祈るのが一番良いということでしょう。そのことを続けていれば、必ず神が正しい答えを与えてくれるでしょう。