主な活動場所
横浜市鶴見区社会福祉協議会の
団体交流室

 詩篇44

2024-12-25

美しい詩を読むと心が豊かになります。本当はメロディーがあったはずです。
聖歌隊の指揮者によってうたわせたコラの子のマスキールの歌となっています。
「神よ、いにしえ、われらの先祖たちの日に、あなたがなされたみわざを/彼らがわれらに語ったのを耳で聞きました。」(1節)
古代から神はイスラエル国民と特別に関与してきました。
「すなわちあなたはみ手をもって、もろもろの国民を/追い払ってわれらの先祖たちを植え、またもろもろの民を悩まして、われらの先祖たちをふえ広がらせられました。」(2節)
ソロモン王の時代は、イスラエル国民が最高に栄えた時代と言われています。
「彼らは自分のつるぎによって国を獲たのでなく、また自分の腕によって勝利を得たのでもありません。ただあなたの右の手、あなたの腕、あなたのみ顔の光によるのでした。あなたが彼らを恵まれたからです。」(3節)
神が助けたのでイスラエル国民は勝利しました。本当は弱い国民だったのでしょう。
「われらは常に神によって誇り、とこしえにあなたのみ名に感謝するでしょう。」(8節)
勝利を誇るのは神のおかげであることを認識し、ヤハウェ神に感謝します。
「ところがあなたはわれらを捨てて恥を負わせ、われらの軍勢と共に出て行かれませんでした。」(9節)
時代を経ると、国民の中には神に感謝しない人々も現れたようです。そうなると神も共に戦うことはしません。
「あなたはわれらをほふられる羊のようにし、またもろもろの国民のなかに散らされました。」(11節)
ここでもイスラエル国民は羊に形容されています。しかも犠牲の羊のようになり諸国民の中に散らされたようです。これは紀元前6世紀と西暦70年以降のユダヤ人の放浪を預言していたのでしょう。
「またもろもろの国民のなかにわれらを笑い草とし、もろもろの民のなかに笑い者とされました。」(14節)
ユダヤ人は多くの国から迫害されてきました。罵られ笑いものにされてきました。20世紀のナチスドイツでのホロコーストは有名ですね。
「神は心の秘密をも知っておられるからです。」(21節)
神から隠し事を作ることはできません。神は全ての心の秘密も知っているからです。
「起きて、われらをお助けください。あなたのいつくしみのゆえに、われらをあがなってください。」(26節)
詩篇作者は最後に神に救いを願います。神はすべてを知っているけど、慈しみで罪を贖って欲しいのです。神は慈しみの神です。そうでなければ、当の昔に裁きをしたでしょう。もし神が過去に裁きをしていたのであれば、我々は生きていなかったはずですね