詩篇74
2025-02-09

美しい詩を読むと心が豊かになります。本当はメロディーがあったはずです。
これもアサフの歌ですが、アサフの子孫が作ったのでしょう。神殿の滅びの後のようです。
「神よ、なぜ、われらをとこしえに捨てられるのですか。なぜ、あなたの牧の羊に怒りを燃やされるのですか。」(1節)
神に捨てられたと感じて、牧の羊であるイスラエルに神が怒っていると思うのです。
「とこしえの滅びの跡に、あなたの足を向けてください。敵は聖所で、すべての物を破壊しました。」(3節)
イスラエルの首都であるエルサレムが、敵の手によって破壊された様を、神が御覧くださいと願います。
「彼らはあなたの聖所に火をかけ、み名のすみかをけがして、地に倒しました。」(7節)
これは西暦前6世紀に起きたバビロンの攻撃のことかもしれません。
「われらは自分たちのしるしを見ません。預言者も今はいません。そしていつまで続くのか、われらのうちには、知る者がありません。」(9節)
エルサレムの崩壊後は、何の印もなく、預言者もいなくなり、再建の時期も判りません。
「神はいにしえからわたしの王であって、救を世の中に行われた。あなたはみ力をもって海をわかち、水の上の龍の頭を砕かれた。」(12,13節)
出エジプトをするときに紅海の水を分けたこと、イスラエルに敵対したエジプト王を叩いたこと思い出してほしいのです。
「あなたは泉と流れとを開き、絶えず流れるもろもろの川をからされた。」(15節)荒野では泉を湧き出し、ユダヤ地域のヨルダン川をせき止めた奇跡を思い出してほしいのです。
「昼はあなたのもの、夜もまたあなたのもの。あなたは光と太陽とを設けられた。あなたは地のもろもろの境を定め、夏と冬とを造られた。」(16,17節)
神は創造主であり、夜昼、陸と海、季節を設けられたことを言います。
「どうかあなたのはとの魂を/野の獣にわたさないでください。貧しい者のいのちをとこしえに忘れないでください。」(19節)
イスラエルは弱い鳩のようですから、野獣に殺されないように願い、資力もない者のことを忘れないでほしいと願います。
「あなたの契約をかえりみてください。~あなたの敵の絶えずあげる騒ぎを/忘れないでください。」(20,23節)
アブラハム、イサク、ヤコブとの契約、ダビデとの契約を思い出してほしいのです。神の民が騒動に合っていることを忘れないように祈ります。
すべての事実には、原因と結果があります。イスラエルは他国との戦争で滅びを経験しています。それらは、イスラエルが神の命令に背いたときに起きました。
現在は滅んでいる状態でも、神の憐れみを願えば希望の明かりが灯ることでしょう。