詩篇80
2025-02-17

美しい詩を読むと心が豊かになります。本当はメロディーがあったはずです。
聖歌隊の指揮者によってゆりの花のしらべにあわせてうたわせたアサフのあかしの歌です。
「イスラエルの牧者よ、羊の群れのようにヨセフを導かれる者よ、耳を傾けてください。ケルビムの上に座せられる者よ、光を放ってください。」(1節)
イスラエルの牧者は神のことです。ケルビムは上位の天使とされています。神の光を要求します。
「神よ、われらをもとに返し、み顔の光を照してください。そうすればわれらは救をえるでしょう。」(3節)
神と良い関係に戻って欲しい。御顔を向けることで神からの光が届き、救われるのです。
「あなたは涙のパンを彼らに食わせ、多くの涙を彼らに飲ませられました。あなたはわれらを隣り人のあざけりとし、われらの敵はたがいにあざわらいました。万軍の神よ、われらをもとに返し、われらの救われるため、み顔の光を照してください。」(5~7節)
これはバビロン捕囚後のことかもしれません。イスラエル国民はバビロンに捕まえられ、恥をかいたことでしょう。再度、神の御顔の光で照らされることを願います。
「あなたは、ぶどうの木をエジプトから携え出し、もろもろの国民を追い出して、これを植えられました。」(8節)
ぶどうの木はイスラエル国民のことです。エジプトからパレスチナ地方への帰還のことです。
「これはその枝を海にまでのべ、その若枝を大川にまでのべました。」(11節)
イスラエル国民は増え広がり、地中海からユーフラテス川まで領土を広げました。
「あなたは何ゆえ、そのかきをくずして/道ゆくすべての人にその実を/摘み取らせられるのですか。林のいのししはこれを荒し、野のすべての獣はこれを食べます。」(12,13節)
領土が次々に狭められ、収穫物を他国である野獣が奪っていくと述べます。
「万軍の神よ、再び天から見おろして、このぶどうの木をかえりみてください。」(14節)
神は何万と天使をお使いになります。ぶどうの木であるイスラエル国民に、振り向いて欲しいのです。
「あなたの手をその右の手の人の上におき、みずからのために強くされた人の子の上に/おいてください。」(17節)
人の子はイエス・キリストのことでしょう。神がイエスを強められたことがルカ伝22:43に「その時、天使が現れてイエスを力づけた。」とあります。
「そうすれば、われらはあなたを/離れ退くことはありません。われらを生かしてください。われらはあなたのみ名を呼びます。」(18節)イスラエル国民はヤハウェ神を呼びます。
「万軍の神、主よ、われらをもとに返し、み顔の光を照してください。」(19節)
三度、神の御顔の光で照らされることを願うのです。