詩篇82
2025-02-19

美しい詩を読むと心が豊かになります。本当はメロディーがあったはずです。
アサフの歌です。
「神は神の会議のなかに立たれる。神は神々のなかで、さばきを行われる。」(1節)
これは翻訳が難しい部分です。「神の会議」ですが、別の訳では「強者の集まり」だったりします。「神は神々のなかで」も、単数であるGodがgods(複数)のなかでと訳されています。日本語は単複同形なので分かりにくいですが、原文から推察すると「神は神聖な会議に立たれる。神は戦いのなかで裁かれる。」ではないでしょうか?こうすると、以下の聖句との繋がりができてきます。
「『あなたがたはいつまで不正なさばきをなし、悪しき者に好意を示すのか。弱い者と、みなしごとを公平に扱い、苦しむ者と乏しい者の権利を擁護せよ。弱い者と貧しい者を救い、彼らを悪しき者の手から助け出せ』。」(2~4節)
これは神の言葉です。当時の裁判官は不正があったのでしょう。悪しき者は強者かもしれず富者かもしれません。弱い者、孤児を公平に扱うように、苦しむ者や資力のない者の権利を守るように言います。そして、弱い者、資力のない者を悪しき者から救い出すように言います。
「彼らは知ることなく、悟ることもなくて、暗き中をさまよう。地のもろもろの基はゆり動いた。」(5節)
当時の裁判官は、神の法律を知ろうとせず、悟ることもなかったようです。それで、真理を知らないので、真理の光も分からず、暗闇の中でさまようしかないのです。国の形成には法律が必要です。法の支配がなければ無政府状態です。地上では多くの法律がありますが、神の法律に即しているものはどれだけあるでしょうか?国の基盤である法律が揺り動いているので、不安定な状態になっていると歌うのです。
「わたしは言う、『あなたがたは神だ、あなたがたは皆いと高き者の子だ。しかし、あなたがたは人のように死に、もろもろの君のひとりのように倒れるであろう』。」(6,7節)
これはイエス・キリストが引用しました。ヨハネ10章34節に「イエスは彼らに答えられた、「あなたがたの律法に、『わたしは言う、あなたがたは神々である』と書いてあるではないか。」
ここでの「神々」というのは神のような者という意味かもしれません。現在でも、神業とか神がかっているとか神々しいとか言うことがありますが、強者のことをa godとしたのかもしれません。
「神よ、起きて、地をさばいてください。すべての国民はあなたのものだからです。」(8節)
神は最終的な裁判官です。地上の国々の裁判官が不当な判決をすることがありますが、いずれ神に裁かれることになります。弱者や貧者が公正な裁きが得られる、新しい天地を待ち望むのが、神の法律に沿っているようです。