主な活動場所
横浜市鶴見区社会福祉協議会の
団体交流室

 詩篇121

2025-05-21

美しい詩を読むと心が豊かになります。本当はメロディーがあったはずです。
都もうでの歌です。
「わたしは山にむかって目をあげる。わが助けは、どこから来るであろうか。」(1節)
詩篇作者は山を見上げたのでしょう。自分の助けはどこからくるのかと尋ねます。
「わが助けは、天と地を造られた主から来る。」(2節)
自分を助けてくれるのは、天使創造者であるヤハウェ神と歌います。
「主はあなたの足の動かされるのをゆるされない。あなたを守る者はまどろむことがない。見よ、イスラエルを守る者は/まどろむこともなく、眠ることもない。」(3,4節)
足がしっかりしていないと倒れることがありますが、神はそのように倒れることを許さず、イスラエルの民を守るために、寝ることもまどろむこともありません。
「主はあなたを守る者、主はあなたの右の手をおおう陰である。」(5節)
神は人々を守る者であり、我々の右にいて炎熱を防ぐ陰になってくれるのです。右手は力の象徴です。神は人々を守るために覆いとなって力を保てるようにしてくださるのでしょう。
「昼は太陽があなたを撃つことなく、夜は月があなたを撃つことはない。」(6節)
昼間の太陽が直射すると熱中症になることもあります。月の光は特に悪さをするわけではありませんが、夜間に敵に襲われることがあったのかもしれません。
「主はあなたを守って、すべての災を免れさせ、またあなたの命を守られる。」(7節)
神はあらゆる災害から人々を逃れさせてくださいます。人災や天災はこの当時もあったことでしょう。神はそのように命が失われることを看過しないのです。
「主は今からとこしえに至るまで、あなたの出ると入るとを守られるであろう。」(8節)
神は永遠に人々の生活を守ってくださるのです。出ると入るとは、もしかしたら神殿に出入りすることかもしれません。ユダヤ人は年に3回はエルサレムで祭りを行いました。過ぎ越しの祭り(ヘブライ語でペサハ)、五旬節(ギリシャ語でペンテコステ、ヘブライ語でシャヴオット)、仮庵の祭り(ヘブライ語でスコット)です。
こうした祭りに参加して神を崇拝していたのです。そしてこの崇拝は日常のあらゆる事柄にも及んでいました。ですから、神が守られるというのは貴方の生活すべてを守られるということではないでしょうか?
都もうでの歌ですから、この歌を歌いながらエルサレムに向かったのかもしれません。第1節にある「山に向かって」というのもエルサレムが山の頂上にある都でしたから、エルサレムの都が見えてきた時に歌ったのかもしれません。
詩篇作者は生活のあらゆる場面で神の助けを実感していたのでしょう。
そのように、自分だけの力に頼らず、不確かな人々に頼らず、神に頼って生活を送りたいものだと思います。