アセスメント8

2025-04-17

アセスメントでは対象者と対等に話すようにしましょう。
たとえ、高齢の要介護者であっても同じ人間です。体力や知力が低下していても尊厳の気持ちをもって話しましょう。そのような気持ちがあれば、言葉も丁寧にゆっくり分かり易くなるはずです。そのような言葉を使えば、対象者も気持ちよく心を開いてくれるはずです。
質問をするということは、対象者の個人情報を知るということになります。人によっては話したくない内容のこともあります。癌とか認知症については、医師の診断があっても否定することもあります。アルコール依存症の場合は必ず「そんなに飲んでいない」というのです。このように千差万別の利用者がいるわけですから、すんなり情報が取れるのは幸運としか言えません。
変な話になりますが、事故が起こると警察は現場検証を行って実際に何が起きた確認します。ケアマネジャーも警察のように「介護事故」の現場に臨むことになります。転倒骨折であれば原因もわかるので改善方法も分かり易いかもしれません。しかし、認知症とかの場合は原因は脳の変性ですが、どうして変性したのか?いつから症状があったのか?受診して診断はされたのか?服薬状況はどうなっているのか?ADLはどうか?困りごとはどれくらいあるのか?家族や親族はどう思っているか?今後の予後はどうなりそうか?等〃。
本当に原因究明だけでも大変です。原因を突き止めても改善方法がすぐに見つかるわけでもありません。認知症の専門医であった長谷川和夫先生も晩年に認知症を発症しました。ですから、認知症を予防するのは難しいのかもしれません。しかし医療の進歩もあり、このような生活習慣をしている人は認知症になりにくいことはわかりつつあります。現在認知症を発症している人は改善が難しいですが、まだ発症していない人は生活習慣の改善が可能です。
認知症の方のアセスメントはとても難しいと思います。ですから、定石のようなものはありません。その人その人に応じて話を続けていえけるかどうかです。よく認知症の本人に聞かずに家族に質問するケアマネジャーがいますが、本人にとっては自分のことを何故家族に聞くのだと不満に思うことでしょう。認知症の方は記憶等の能力は低下していても感情等の機能は長く保たれるようです。関わり方を間違えると、陽性反応が強く出て、暴言や暴力や徘徊等の行動が起きてしまうのです。
認知症の方の聞き取りは、本人中心に行いましょう。認知症の方が疎外感をもってしまうと陰性反応が起きて口を利かなくなったり閉じこもったりします。そのようになると関りも難しくなります。ケアマネジャーが認知症の方への話し方を見て、家族もそのようにすれば会話もできるんだと理解してくれるかもしれません。
まだまだ、認知症の全体は解明されていません。薬も効いたり効かなかったり、個人差も大きいです。認知症の方を皆が愛せるようになれば、症状は改善するはずです。