アセスメント15

2025-04-30

睡眠は奥の深い領域です。不眠症の人は本当に辛いと思います。まず、そのことを共感してアセスメントしましょう。医師ではありませんから、治療を考えるのではなく、辛さを正しく理解しましょう。長年、不眠で悩んできた人にとって、理解をしてくれる人がいればありがたく感じることでしょう。ケアマネジャーはそのように対象者に寄り添って一緒に考えれば良いのです。
長年、眠剤を飲んできた人は、薬を止めたら寝られなくなるという恐怖があるかもしれません。反対に不眠症でも我慢して薬を拒否する人もいます。どうするか悩んでいる人もいます。そのように不眠症の方でもそれぞれ考えていることが違うのです。ですから、ケアマネジャーはどこで悩んでいるのかを聞き出す必要があります。
医者は薬を出すことはできますが、自宅の環境のことまでは分からないかもしれません。ケアマネジャーは寝室の状態を確認することができます。寝室の環境はどうなっているでしょうか?夜間の騒音はありませんか?室温は適切ですか?湿度はどのくらいですか?寝具は何を使っていますか?ふとんでしょうか?ベッドでしょうか?マットレス等の硬さは適切でしょうか?福祉用具専門相談員であれば、これらの問題を解決できるかもしれません。自分が購入したベッドだと愛着があって介護ベッドに交換するのをためらうことがあるかもしれません。その場合は他の方法を検討してみましょう。起き上がりが辛いのであれば代替方法で手すりだけ設置することも可能です。夜間のトイレに行くのが心配ならポータブルトイレの使用もできるかもしれません。夜間だけ紙おむつを使用することもできるかもしれません。
寝室は寝るための場所であることを再確認しましょう。寝食分離の考え方で、寝る場所と食事をする場所を分けることも必要かもしれません。確かに介護者にとって寝たきりであれば移動するのが難しい場合もあるでしょう。それでも寝食分離は生活の自立度を上げるために考慮しても良いと思います。
寝ている姿勢についても考えましょう。一番好ましいのは、頭、肩、お尻、踵が一直線になっていると背骨が一番リラックスできます。ふかふか過ぎる敷布団やマットレスはこの姿勢を崩してしまうかもしれません。枕は高過ぎないものが良いでしょう。枕は首を支えるものです。それぞれ首のカーブも違いますから、対象者の首のカーブに合わせるには大き目のタオルを丸めて調整してみるのも一つの方法です。各社で色々な枕を販売していますから試して見るのも良いでしょう。金額が高くても自分の首のカーブに合っていなければ価値はありません。
睡眠は気を失っている状態です。でも脳は時々夢を見ます。これは記憶の整理をしているのかもしれません。夢は見られなくても、横になっていれば体は休息できます。あまり不眠に振り回されず、日中の運動とかをしっかりすれば眠れるようになるかもしれません。
「下手の考え休むに似たり」。考え過ぎないことが睡眠に繋がるようです。