アセスメント21
2025-05-15

人間は動物ですから、動かないといけないようにあらゆる器官が調整されています。他の動物に比べて大脳が異常に発達しているので、頭は重さが5~6Kgあるのでボウリングのボールの重さと同じくらいなのです。その重さを頸椎と取り囲む首、肩、背中の筋肉で支えているのです。こうした首周りの筋肉が衰えると頭を支えられなくなって頭が前に傾きます。傾くとさらに首周りの筋肉が疲労してしまいます。さらにすすむと円背になり円背になると腰が曲がります。腰が曲がると骨盤が傾斜してしまいます。そうすると腰痛が起きてきます。このように重要な頭部を守るためには脊柱がしっかりと理想の状態にしておく必要があるのです。
骨盤が傾斜したままだと、O脚になり歩行能力が低下するかもしれません。歩行がしっかりできないと動くのが億劫になるでしょう。腰痛やひざ痛やその他の痛みとがあれば外出もしなくなり、引きこもってしまうかもしれません。そうなるとフレイル(虚弱)状態です。一日テレビを見ているようになるとサルコペニア(筋力低下)になってしまいます。
ロコモティブシンドローム(運動機能低下)になると要介護状態に一気に進んでしまうかもしれません。
そうならないよう必要なことは姿勢を適正な状態にすることです。対象者はすでに筋骨格系になんらかの病気を持っているかもしれません。肩こりや腰痛、ひざ痛は多くの場合その骨に繋がっている筋肉の疲労等があると思われます。姿勢を適正に整えれば痛みから解放されることも可能です。このような診断は整形外科医や整体師やマッサージ師にしてもらうことが肝要です。また、痛みは精神的なストレスで起こることもあります。ですから痛みの原因の根本治療をしないといつまでも治らないことになってしまいます。痛みを訴える高齢者が医者から「年のせい」と言われることがありますが、それだけではないかもしれないのです。痛みといってもその原因が複数ある場合もあるでしょう。
漢方で痛み止めになる生薬もありますが、漢方を処方してもらうには漢方の専門医か漢方薬専門の薬剤師に確認してもらうほうが良いでしょう。西洋医学では痛みがあれば痛み止めの薬の処方になりますが、これは根本治療ではなく、対症療法に過ぎません。ですから痛みがある限り、服用し続けることになります。
痛みが出るのは、関節に集中しています。関節のどこに問題があるのか探る必要があるのです。骨の異常であればレントゲンで調べられます。神経の異常であれば筋電位やMRIで調べられるかもしれません。原因がはっきりしない痛みについてはどこかの神経が炎症を起こしているかもしれません。あるいは他の臓器の異常が痛みに現れる場合もあります。
このように痛みでも骨格系か筋肉系か内臓系か神経系かそれらが混合しているのか、色々な場合があるでしょう。このように科目別の診断ではなく、総合医のように患者を全人的に診てくれる医師をかかりつけ医にしておくと安心できます。そのような医師を地域に見つけ出すのもケアマネジャーは心がけましょう。