アセスメント22
2025-05-20

姿勢については、ある程度理解できているかと思います。赤ちゃんはまだ生育途中ではありますが、正常な発育をしてゆけば正常な姿勢を維持してゆくことができるはずです。確かに生まれながらに発育不全の人もいますので、そのような場合は医師の管理下で適切な処置をする必要があるでしょう。
でも、多くの人は生まれた後から姿勢が悪化してしまうことがあるのです。若い人でもスマホやコンピューター画面をうつむき加減で見ているとストレートネックになってしまいます。さらに姿勢が悪化してしまうと背骨、骨盤、膝、足底にまで及んでしまいます。特に円背になると内臓が圧迫されてしまいます。そうすると肺の機能低下や内臓の機能低下を起こしてしまうかもしれません。胃、小腸、大腸の機能低下があると食物を十分に消化吸収することが難しくなります。肺の機能が低下すると赤血球の酸素運搬が十分にできずに四肢末端の毛細血管まで酸素や栄養を運べなくなるかもしれません。
このように姿勢がしっかりしていないと骨格系だけでなく内臓系にまで悪影響が及ぶかもしれないのです。それで、ケアマネジャーは対象者の姿勢を観察しましょう。誰でも体が左右対称になっていないことがあるようです。右利き、左利きのように利き腕も違います。また、普段座っている位置によっても体が傾いていたりするのです。そのように同じ姿勢を続けているとどうしても血行不良が起きます。床ずれは体重が一か所にかかってしまい血管がつぶされるので細胞に酸素も栄養も送れないことで起きます。ですから同じ姿勢を続けないように体位交換をしたりするのです。座っていても同じ姿勢を続ければ床ずれが起きることがあります。特に皮下脂肪が少なく痩せている人は注意が必要です。
ケアマネジャーは予後予測もする必要があるので、対象者の活動がどの程度あるのか観察しましょう。寝続けたり、座り続けたりしていないか、背骨が正常なカーブをしているか?
左や右に体が傾いていないか?身長、体重は標準に近いか?骨格に問題はないか?麻痺があればどちら側か?
そうしたアセスメントをすることで、現在の姿勢から改善できることはないか予測することもできるでしょう。もちろん整形外科の医師の診断が最重要視するべきですが、整骨院やマッサージ師やカイロプラクティックの施術師の判断も尊重して良いでしょう。
動くためには、骨と筋肉と電気信号が必要です。動くのが難しくなっているのは何かの要因があるはずです。その原因がつかめれば何をすれば良いか分かるようになるでしょう。
麻痺がある場合には、その麻痺側に対して必要な装具を付ければ動くようになるかもしれません。利き腕が麻痺していても、最近は脳の電気信号を拾ってロボットアームのように手の筋肉に信号を伝達して動かすことも可能になりつつあります。精髄損傷で下肢麻痺があっても、パラリンピックの選手のように上肢で運動することは可能ですし、電動車いすもあります。福祉機器の進歩は続いています。ケアマネジャーは最新の福祉機器についても、ある程度知っておく必要があるでしょう。