アセスメント25
2025-06-04

嚥下機能においては姿勢も大切です。呼吸においてもとても大切です。
何しろ数分でも呼吸が止まれば死に至ります。呼吸をつかさどるのも脳の指令です。そして呼吸を整えれば多くの点で身体機能が改善されます。最近の人々の姿勢は前かがみです。そうすると肺は圧迫されます。肺は本来の呼吸ができなくなり血液に十分な酸素を送れなくなります。酸素が不足すると身体の細胞が酸素不足で本来の活動ができなくなるのです。
ですから、十分な酸素を体中に行きわたらせるために深呼吸をしましょう。深呼吸は自分で調整できる数少ない機能です。寝たきりの人でもできます。
まずは、肺の中の空気を全て出すくらいの気持ちで吐き出します。そうすると自然に新しい空気が肺に吸い込まれます。できれば少しの時間呼吸を止めてみましょう。その後また、肺から空気を思いっきり吐き出すのです。吐く時間は吸う時間の倍の時間をするくらいにしましょう。
長生きという言葉は実は「長息」なのです。現代人は忙しいせいか、ゆっくり息をしていません。肺の上部だけを使う浅い呼吸をしているのです。これでは本来の肺の機能を生かしていないことになります。深呼吸は肺の機能を十分に生かすために必要なことなのです。
寝ていても、座っていても呼吸は絶えず行っています。少し意識して深呼吸をしましょう。
腹式呼吸という、臍下丹田つまりへその下の丹田という場所に意識を向けます。そこに新鮮な空気が入ることをイメージします。吐くときは肺の中から毒素である気体を吐き出すことをイメージします。そうすると臍下丹田あたりのお腹が出たり引っ込んだりするのが分るでしょう。これは横隔膜が十分動いている証拠になります。つまり肺がしっかり働いてくれているのです。
心臓は自律神経で動いているので自分の意識で心臓の拍動を止めたり早めたりはできません。勝手に脳が指令を出して心臓を動かしているのです。でも、呼吸は自分で調整できます。呼吸の回数を減らすことが、長生きに繋がるのです。ネズミの呼吸は1分間に120程だそうです。潜水中の亀は1分間に2回程だそうです。亀は万年生きると言われていますが、動物の中では長生きの部類でしょう。
人間も長生きするには「長息」を心がけましょう。
実は「長息」は簡単にできることがあります。歌うことです。歌うとき当然長く息を吐いて歌います。そして短時間に息を吸って次の声を出すのです。歌の上手い下手は関係ありません。好きな歌を思いっきり歌えば良いのです。歌がどうしても嫌なら、朗読しましょう。これも話している間は長く息を吐き続けます。そして短時間で息を吸って次の言葉を話すのです。朗読も嫌ならおしゃべりです。機関銃のように話す人がいますが、そこまでしなくても、自分のペースでおしゃべりすれば良いのです。
呼吸を整えると、生活が整います。生活が整えば、活動もできます。活動ができれば人生が幸福になります。呼吸のアセスメントをしましょう。