アセスメント28
2025-06-09

寝ている状態から座位をとるには、起き上がる必要があります。起き上がるには腹筋だけでどこにも掴まらずに起きれることはないかもしれません。手をついたり手すりに掴まったりして起きることが多いでしょう。片麻痺がある場合は健側の手だけで起きなければならないかもしれず、そこに手掛かりとなるものが必要になります。
ベッドで寝ているのとふとんで寝ているのでも違いがでてきます。特殊寝台であれば手すりの設置は容易ですが、ふとんの場合は工夫が必要になります。机とか紐とか背上げ器とか色々な物品を試す必要があるかもしれません。それぞれ部屋の環境は違いますから、総合的に考える必要があります。
起き上がるのは、食事のためですか、排せつのためですか、移動のためですか、話をするためですか、それぞれで違う動作になるかもしれません。それで、起き上がって、立ち上がるのか、車いすに移乗するのか、その目的によってどのように起き上がるのが良いのか変わるかもしれません。排せつのためであれば、横にポータブルトイレを置くのがよいのでしょうか?トイレが近い場所ならば、歩きますか、歩行器ですか、車いすですか、介助はしますか、見守りですか、そのように対象者の身体機能と介助者の介助能力によってもどうすれば最適にすることができるか違ってきます。
排せつであれば、対象者の尿意、便意がどの程度なのかアセスメントしましょう。排せつ行為は自立のためには初めに検討する必要があります。排せつは待ってくれないからです。食事や入浴も必要ですが、少しは待つこともできますが、排せつを我慢することは難しいからです。しかも1日に数回は行わなければならない行為です。この頻回に行われる行為が自分でできるか、介助を要するのかで、援助方針も大きく変わります。少しでも尿意、便意があるなら、自分で排せつを行うことができるように支援方法を考えてゆきましょう。たとえ、尿意、便意がなくても訓練することで尿意、便意をとりもどすこともできないわけではありません。
留置カテーテルが挿入されている対象者がいるかもしれません。自尿があるかどうか判断する必要があるかもしれません。これは泌尿器科の医師に相談する必要があるでしょう。
訓練して自尿があれば、排せつの自立が近づくことになります。ただし、他の理由で排せつ行為を留置カテーテルにしている場合がありますが、つまり排泄の介助をする援助者がいないとかですが、自尿があれば、早めに外すことも考えておきましょう。
便についても必要な情報が沢山あります。高齢になると便秘になる方が多いのですが、便秘の原因を考えましょう。水分は足りていますか?偏った食生活ではないですか?動けていますか?薬の副作用は考えられますか?痔とかの病気はないですか?
さらに便の形状についても下痢なのか?頻度はどうか?いきんでいないか?便座はどのような形状か?手すりは必要か?こうした情報を確認することで排せつ行為の自立を支援することができるでしょう。