アセスメント33
2025-06-26

ICFの考え方で、現在の健康状態を知ることは大切だと思います。健康というのは身体的な健康、精神的な健康、あるいは魂での健康が関係するかもしれません。
身体的な健康は、各種の検査や数値で調べることができます。血圧とか血糖値とか体重とかで判断できるでしょう。あまり数値に拘り過ぎるのも考え物ですが、比較的評価はし易いと思います。
しかし、精神的な健康はどうでしょうか?数値化できるものは、知能検査とか認知症スケールとか限られています。精神の働きは多岐に渡っていますから、その数値は一部を反映したものに過ぎません。裸の大将でも有名な山下清は知的障がいがありましたが、多くの貼絵を制作し評価されています。認知症に関しても、それは脳の一部の機能を評価したものに過ぎません。認知症の方でも、以前に習った事柄は覚えていて、料理ができたり、音楽が上手だったり、生け花ができたりするのです。
ケアマネジャーはこうした部分を評価していくことが大切です。きっと本人も自分のことを評価してくれると喜ぶと思います。
魂の健康については、あまり聞いたことがないと思います。魂とはスピリットです。大和魂とかスポーツ魂とか入魂とか使うことがあると思います。つまり、生き様を示しているものです。芸術家とかが作品に対して魂が入っているとか、魂が感じられないとか言うことがあります。そのようにその人らしさが表れているかどうかということでしょう。
ケアプランでは○○さんらしいことが表されていると、本人も家族も嬉しく思うかもしれません。
それで、ケアマネジャーはその人らしいことは何かを見つけ出すことが、重要になると思います。本人も家族も、そんな魂の健康については考えたこともないでしょうから、話にも上がることはないと思います。でも、その人らしさは、その人の醸し出す雰囲気とか、表情とか、行動とか、趣味とか、大切にしているものとか、服装とか、部屋の様子とか、食べ物の好みとか、話し方とか、色々なところから探り出すことができます。
アセスメントの基本はその人を知ることです。その人を知るには、好きなこと、していること、以前していたことを知ると、だいたいのことが分かります。
誰でも、自分の気に入ったものを近くに置いておきたいものです。それが写真だったり、土産物だったり、アクセサリーだったりします。それらを観察して、いつの時でしたか?私も知っていますよ、いいセンスですね、楽しかったですか?とか聞いていくと、一杯話をしてくれるでしょう。誰でも褒められたり、関心を向けられたりすると嬉しいものです。
そのように話をしてゆけば、相手も心を開いて、実はこうなんです、と本音を言ってくれるかもしれません。自分にとって気分の良くない話は隠したがりますし、誇らしい話はどんどん話してくれます。
魂に近づいて、本音を聞き出したいと思いませんか?