アセスメント34

2025-07-09

アセスメントについて、これまで話した事柄を踏まえて行えば、時間はかかるかもしれませんが、対象者の状況を知ることができるでしょう。対象者の人となりを知れば、何が不足しているのか、何を必要としているのかを理解できるでしょう。
アセスメントで課題が分かれば、その対策を考えれば良いのです。
しかし、対象者だけではなく、その家族とか親族とか友人とか、人間関係は複雑です。その人だけのアセスメントで終了というわけにはいかないのです。
同居の家族でも良好な関係ばかりではありません。仲たがいしている場合や虐待に近い対応をしているかもしれないのです。それで、ケアマネジャーはそうした家族関係にも注意してアセスメントをします。虐待の場合は、当人は気づいていない場合が多く、熱心に介護している家族がしてしまうことがあります。言葉の暴力も虐待にあたります。介護費用を最小限にしてしまうのも、もしかしたら経済的虐待かもしれません。そのように虐待は気づかないことが多いのが実情です。身体的虐待であれば、身体の状態を見ればわかるのですが、心理的虐待や性的虐待はなかなか見つけられないものです。
何かおかしいと思ったら、行政や包括支援センターに報告しましょう。報告の義務があるからです。報告するときは、現状だけを報告すればよいのです。虐待かもしれませんという私的な判断はしないようにしましょう。
虐待までに至らなくても、ネグレクトぎみの家族もいるかもしれません。自分のことだけで一杯で家族の介護まで手が回らないという家族もいるでしょう。あくまで、ケアプランは本人が主体ですが、家族の役割を記入する場合もあるでしょう。その場合は注意して記述する必要があります。同居していても生活時間はかなり違う場合もあります。朝早く出勤する家族もいれば、夜勤の家族もいます。その生活パターンも理解してから記入するようにしましょう。家族の役割が過度になりすぎないように、週に1回とか一日30分とか家族が同意してもらえる範囲に止めましょう。
アセスメントは常に継続していくものです。生きていれば人は変化するものです。それは対象者だけではなく、家族も同様です。現在、経済的な問題を抱えている家族が多くなっています。ダブルケアをしている家族もいます。ヤングケアラーの問題もあります。それぞれに家族としては大変な思いをしているはずです。本人に寄り添うことは大切ですが、その家族にも何かの問題を抱えていることがあるかもしれません。その時には何か心配事はありませんか?と尋ねてみましょう。
介護休暇についてとか、児童虐待の疑いとか、経済破綻とか、借金の問題とか、多岐にわたるかもしれません。専門の相談所とか、包括支援センターにつなげることが必要です。
ケアマネジャーは忙しく、シャドーワークの問題もあります。自分だけで解決しようとせずに行政の力を借りるようにしましょう。
これで、一連のアセスメントは終了します。