ケアプラン2
2025-07-11

要介護状態のケアプランは第1表から第3表まであります。それぞれが関連しています。この様式を作成するために多くの諸先生方が考えて作られたのです。介護保険の理念はこのケアプランに集約されています。
第1表の「利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果」を記入するのですが、これはかなり広範囲に及ぶ事柄です。以前は「介護」でしたが「生活」に代わり、
「意向」までだったのが「を踏まえた課題分析の結果」になりました。
利用者の意向だけでも簡潔に表現するのは難しいと思います。しかも介護だけでなく生活全般を考慮しなければならないのです。まず初めに利用者・家族の生活の意向を聞き出せているかどうかということになります。生活というからには、どこで、どのようにして、どうしていたいか、どうなりたいか、を含むのです。この事柄を果たして200文字程度に収められるでしょうか?
もし、自分の生活の意向を書けと言われて、簡単に書けますか?私だったら、どのように書くかと言われて、1月位考えて何ページもの文章にするでしょう。あれもしたい、これもしたい、こんな暮らしにしたい、家族とこうしたい、限りなくあるように思います。
それを短くまとめろと言われたら、「家族と楽しく暮らしたい」になるかもしれません。
しかし、これでは誰でも当てはまることになります。そんなケアプランが横行しているのが現状ではないでしょうか?
それを打破して、利用者の気持ちを表現するには、そうとうの文章力が必要です。これまでアセスメントした事柄を思い出して、利用者の口から出た言葉を要約するのです。
例えば、「私はこれまで、家族のためにと一生懸命会社で働いて、会社の役員にもなれた。しかし、家族のことはほとんど顧みず、仕事人間だった。今回、脳梗塞で左半身麻痺になり動くのも大変になった。妻には迷惑を掛けどうしだったと思う。子供たちも独立してそれぞれの生活があるだろう。妻にこれ以上迷惑はかけたくないので、施設入所も考えた。でも一人で施設に入るのも嫌だし、妻を一人で家に残すのも心配だ。介護サービスで何とか自宅で生活できるなら、そのようにしても良いかと思っている。妻の負担がないようになるなら不本意だが、あきらめるしかないのだろう。これまでゴルフが趣味でゴルフ仲間もいるが、今は会いたくない。病院ではリハビリを続けたが、ゴール設定としてこれ以上は改善しないだろうと言われた。家のローンは済んでいて、経済的には年金で何とかなるかと思う。施設については高額なので自宅で療養するしかないのだろう。」
このように、話してくれる利用者は稀かもしれませんが、この内容をまとめて、簡潔に100字程度にできますか?
そうとう訓練している記者なら可能かもしれませんが、ケアマネジャーにそのような能力を求めるのは、かなりいじめに近いと思います。
さて、皆様ならどのようにまとめますか?