ケアプラン7
2025-07-23

さて、いよいよ第2表に入ります。これまでのことを継続していれば、すでにマスタープランは頭の中でも整理できているのではないでしょうか?課題整理総括表を用いていれば、左の欄にニーズが書かれていて、優先順位も記入されているでしょう。基本はそのまま第2表に写せばよいのです。
課題整理総括表を用いていなくても、ニーズと優先順位が決まっていれば必要な文章は文字化されていると思います。課題整理総括表でも、阻害因子と促進因子を考えたと思いますが、改善できる可能性がある項目についてサービスの選択ができると思います。悪化の可能性もあるとは思いますが、できるだけ維持を目指して援助方法を考えましょう。
がんについても初期であれば改善の可能性があります。末期の場合は悪化が予想されますが、本人も家族等もそれを理解しているなら悪化を選択することもあるでしょう。
ケアマネジャーは本人や家族等の現状が改善するために、ケアプランを作成するのですから、初めから改善できないとあきらめないようにしましょう。末期のがんでも延命することで、本人も家族も濃密な時間でより良い関係を構築できるかもしれません。
それで、ニーズについては、生活全般の解決すべき課題となっています。生活全般ですから朝起きてから寝るまで、そして就寝中も援助が必要かもしれません。以前は病名やADL低下とかの言葉を使用していたかもしれませんが、ニーズは本人の意向に沿ったものであるほうが良いとされています。そして、できるだけポジティブな言葉を使うことが勧められています。
「脳梗塞で半身麻痺があるので、起居・移動が困難である。」というニーズではなく、
「右半身麻痺があるが、自分で起き上がったり食事をリビングでしたい。」というニーズにするとケアプランが本人主体であることがはっきりします。これもあくまで一例に過ぎません。ケアプランはケアマネジャーと本人・家族等との共同作業で進めることが求められます。ケアマネジャーが主体で進めると、本人や家族等が置き去りにされてしまうようになるかもしれません。
本人が主体であり、そこに家族等の人間関係があります。本人の意欲や家族等の役割を尊重して文章にしましょう。そのような思いで文章にすれば、自分がもし、対象者のように介護事故にあったら、どのように対応してもらいたいだろうか?と考えるでしょう。そのような思考をすれば、本人主体の文章ができるのではないでしょうか?
第2表は左から右に記入することが勧められています。最初にニーズ優先ということです。サービス優先で右から記入することがないようにしましょう。
ニーズは一人ひとり違うはずです。確かに多くの事例を経験すると、同じようなニーズが抽出されることもあるでしょう。それでもケアプランは一人ひとり違うのが当たり前です。
AIは膨大な文章から、最適な言葉を選んでくるでしょう。しかし、それは機械が導き出したニーズにしか過ぎません。あるケアマネジャーのケアプランを読んで、対象者の方が感激して涙を流したそうです。きっと対象者の意向を文章化できたからです。
我々ケアマネジャーも、そのように血の通ったケアプランを作りたいものです。