ケアプラン9

2025-07-27

第2表が、本人、家族等に同意してもらうためには、文章が簡明で判りやすいものにする必要があります。ニーズについても、本人、家族等が「そうだよね」と了解してもらうことが必要です。それには、本人、家族が使っている言葉をいれることも良いかもしれません。方言を使っても良いし、友人の○○ちゃんという言葉を使っても良いのです。
何度も繰り返しますが、ケアプランに正解はありません。あるのは最適解かどうかだけです。ケアプランは何度も修正して良いのです。初回はあまりつっこんだ表現ができないかもしれませんが、何度か修正をしていって、最適解に近づけるようにすれば良いのです。
最適解は時間と共に変化することもあるでしょう。本人の状態や家族の状態も変わります。
その都度、ケアプランを変更することもできますが、ケアマネジャーは予後予測をしておく必要もあります。病状の悪化時にどうするか?緊急時の対応はどうするか?家族が病気になったらどうするか?経済的な困窮状態になったらどうするか?様々な将来が予測されるかもしれません。すべての状況変化に対応するケアプランを作るとしたら、膨大な量のページ数になってしまいます。それを読むのも大変です。
ですから、簡潔に必要最小限の文章量でケアプランをまとめる必要があります。ニーズについてはせいぜい4つか5つくらいでしょう。長期目標もそれに対応すると思います。短期目標は長期目標を達成するための短期間に達成できる目標ですから、いくつかに分かれるかもしれません。サービス種別もあるので、サービス種別ごとの短期目標を決めることもできます。そうすればサービス提供者は短期目標をいつまでに達成すれば良いのか理解してくれるでしょう。短期目標はケアマネジャーとサービス事業者が納得できる期間にする必要があります。初めてサービスを利用する対象者にとって、自分にはとてもできないと思われないようにする必要もあります。
短期目標はできれば具体的な数値目標にすると良いと言われています。確かに数値化すれば比較しやすいですし、サービス事業者にとっても判りやすいと思います。しかし、対象者にとってどうでしょうか?例えば自分に置き換えて、「体重を○○Kgにする」とかの文章が自分に突き付けられたらどう感じますか?確かに自分の体重を適正体重にしたいという気持ちがあっても、いきなり第三者からそのように言われると反発したくなります。
ですから、短期目標に具体的な数値を盛り込むのも良いのですが、本当に本人からそうしたいと言ってくる場合以外は、あまり勧められません。
自分に置き換えて考えれば、当たり前のことなのに、ある講師からそのように書けと言われたとか、研修でそのように言われたからで、数値化するのは考え物です。
長期目標もそうですが、本人、家族等が「そうなりたい」と言っていることを書いたほうがしっくりするように思います。
「自分でできることを増やしたい」というニーズに「トイレまでの5Mを自分で歩けるようになる」という目標はちょっとずれてる気がしませんか?
「日常生活での行動範囲が広がる」くらいにしておくほうが良いかもしれません。
「歩行訓練で屋内の移動が自分でできる」でも良いかもしれません。